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2013 Fiscal Year Research-status Report

E型肝炎ウイルスの肝細胞への吸着・侵入機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24790452
Research InstitutionNational Institute of Infectious Diseases

Principal Investigator

塩田 智之  国立感染症研究所, ウイルス第二部, 任期付研究員 (80616144)

KeywordsE型肝炎ウイルス(HEV)へのパンニング法の応用 / HEV感受性細胞cDNAライブラリ作製 / HEVレセプター候補 / HEV感受・非感受性細胞の網羅的遺伝子発現解析 / HEV感受・非感受性細胞間の多様な遺伝子発現差
Research Abstract

1)パンニング法。昨年度PCR介在型新規キットでのレトロウイルスベクターを用いたcDNAライブラリ構築に成功したが、複雑度は高いが挿入配列の平均鎖長が短くORFを含む可能性が低かった。そこで、同一キットを用いたライブラリ作製を外部に委託し、高複雑度で挿入平均鎖長の長いORFを含む可能性の高いライブラリの獲得に成功した。委託ライブラリ作製と並行して昨年度作製した自家製ライブラリによるスクリーニングの結果を精査し、レセプター候補遺伝子断片を同定した。更に同断片遺伝子の全長クローニングに成功した。
2)HEV感受・非感受性細胞の網羅的遺伝子発現解析。感受・非感受性細胞間で上記クローニング遺伝子の発現に強い相関が見られ、当該遺伝子のレセプターとしての可能性が示唆された。
3)レセプター候補発現の検証。レセプター候補に対する市販モノクローナル抗体の内、まず1種類を用いて感受・非感受性細胞間での発現差をFACSにて確認した。しかし、クリアな差ではなかった為、他のモノクローナル抗体でも試験を行うことでよりクリアな差を示すことを考えている。
4)感受性細胞を用いたレセプター同定に向けた結合能評価系の確立と阻害能評価への応用。感受性細胞、HEV培養上清と抗HE-VLPモノクローナル抗体を用いたFACSでは結合能を確認することが出来た。そこで、市販モノクローナル抗体のHEVと当該細胞間の結合阻害能を確認したところ阻害能は見出せなかった。今後、他の市販モノクローナル抗体でも試験を行うことで阻害能を持つものを同定したいと考えている。
5)レセプター候補の感染への寄与の検証。市販モノクローナル抗体と対応するsiRNAの感受性細胞への感染阻害能の検証を現在実施中。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1)パンニング法。PCRを介在させる新規キットにより感受性細胞cDNAライブラリ2種類の作製に成功した。その内、自家製ライブラリよりレセプター候補が挙がり、全長クローニングにも成功してきたことから計画はおおむね順調に進展している。
2)HEV感受・非感受性細胞の網羅的遺伝子発現解析。当該細胞間におけるレセプター候補の発現量に感受・非感受性細胞間で強い相関が確認されたことから計画はおおむね順調に進展している。
3)レセプター候補発現の検証。レセプター候補に対する市販モノクローナル抗体により感受・非感受性細胞間での発現差がFACSにて確認されたことからおおむね順調に進展している。
4)感受性細胞を用いたレセプター同定に向けた結合能評価系の確立と阻害能評価への応用。感受性細胞、HEV培養上清と抗HE-VLPモノクローナル抗体を用いたFACSでは結合能を確認することができ、系の樹立に成功した。現在までの所、阻害能を有する市販モノクローナル抗体は見出されていないが、現在もその探索は進行しておりおおむね順調に進展している。
5)レセプター候補の感染への寄与の検証。現在検証を進めており、おおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

1)レセプター候補発現提示の最適化。よりよい発現差を示すレセプター候補に対する市販モノクローナル抗体を同定する。
2)阻害能保有抗体の探索。市販モノクローナル抗体の内、阻害能を持つものを同定する。
3)レセプター候補の感染への寄与の検証。市販モノクローナル抗体と対応するsiRNAの感受性細胞への感染阻害能を確認する。同時に、非感受性細胞でのレセプター候補発現時の抗体およびsiRNAの感染阻害能を調べる。
4)結合部位の同定。レセプターに対するHEVの結合部位を、感染性クローンの欠失変異体・点変異体を用いて同定する。
5)ワクチン開発への応用。結合部位に相当するペプチドを合成し、侵入過程に特異的な感染防御抗体の誘導を試みる。
6)抗ウイルス薬開発への応用。当該合成ペプチドの感染阻害能を調べる。当該合成ペプチドに対するモノクローナル抗体を作製し、抗体医薬としての可能性を探る。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究計画が効率的に進み、当初の計画よりも当該年度使用額を低く抑えることが出来たため。
次年度は当課題の最終年度に当たる。従って、目的であるE型肝炎ウイルスレセプターの同定に向けた有効かつ適切な使用を目指し、抗レセプター抗体をはじめとした試薬への使用を計画している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2014 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Molecular detection of Hepatitis E virus in rivers in the Philippines2014

    • Author(s)
      Tian-Cheng Li, Tingting Yang, Tomoyuki Shiota, Sayaka Yoshizaki, Hiromu Yoshida, Mariko Saito, Toshifumi Imagawa, Fidelino F. Malbas, Socorro P. Lupisan, Hitoshi Oshitani, Takaji Wakita, and Koji Ishii
    • Journal Title

      American Journal of Tropical Medicine & Hygiene

      Volume: 90(4) Pages: 764-766

    • DOI

      10.4269/ajtmh.13-0562

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] The hepatitis E virus capsid C-terminal region is essential for the viral life cycle: implication for viral genome encapsidation and particle stabilization2013

    • Author(s)
      Tomoyuki Shiota, Tian-Cheng Li, Sayaka Yoshizaki, Takanobu Kato, Takaji Wakita and Koji Ishii
    • Journal Title

      Journal of Virology

      Volume: 87(10) Pages: 6031-6

    • DOI

      10.1128/JVI.00444-13

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] E型肝炎ウイルス感染性規定宿主因子の探索に関する研究2013

    • Author(s)
      塩田智之, 李天成, 吉崎佐矢香, 西村順裕, 清水博之, 下島昌幸, 西條政幸, 脇田隆字, 石井孝司
    • Organizer
      第61回日本ウイルス学会学術集
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      20131110-20131112
  • [Presentation] E型肝炎ウイルスレプリコンの構築とレプリコン包埋VLP作成の検討2013

    • Author(s)
      石井孝司, 李 天成, 吉崎佐矢香, 塩田智之, 脇田隆字
    • Organizer
      第61回日本ウイルス学会学術集
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      20131110-20131112

URL: 

Published: 2015-05-28  

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