2014 Fiscal Year Annual Research Report
E型肝炎ウイルスの肝細胞への吸着・侵入機構に関する研究
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24790452
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
塩田 智之 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 任期付研究員 (80616144)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | E型肝炎ウイルス(HEV) / HEVレセプター候補 / HEV 非感受性細胞 / レセプター候補安定発現HEV非感受性細胞 / HEV高速増殖能獲得馴化細胞株 / HEV感染阻害評価系 / ペプチドモチーフ / 相互作用因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)レセプター候補遺伝子搭載哺乳細胞発現ベクターによる非感受性細胞のレセプター候補安定発現株の樹立。哺乳類細胞において候補遺伝子を安定発現するベクターを昨年度に構築した。本年度は、当該ベクターを用いて、レセプター候補安定発現細胞株を樹立した。そこで、バルクの樹立細胞を用いて感受性復帰試験を試みたが、複数の矛盾点が生じたため、シングルセルクローニングを行っている。非感受性細胞でのレセプター候補の発現量について、再現性のよい安定したクローンを取得し、感受性復帰再試験を再度行う予定である。 2) レセプター同定に向けたHEV高速増殖能獲得馴化細胞株の作製。既に、結合能評価系を確立し、結合能およびに阻害能評価への応用が可能となったが、現在までの所、市販モノクローナル抗体の阻害能は見出せていない。そこで、新たに感染阻害評価系の構築を目指した。既報によって、HEVが馴化によって高速増殖能を獲得することが報告されている(Lorenzo et al. Virus Research 2008)。そこで、今後の展開を鑑み感染性クローンを有するG3の馴化株を作製した。増殖曲線がプラトーに達した時点で、新しい細胞に植え継ぐことを繰り返し、10日前後で感染感受性を評価可能な系の構築に成功した。今後、1)への応用が重要課題である。 3)結合能の阻害が想定される各種ポリペプチド、モノクローナル抗体の評価。レセプター候補は、細胞接着因子として知られ、細胞表面上の膜蛋白質と相互作用を行い、特定のペプチドモチーフに結合することが知られている。当該モチーフは、配列情報レベルでHEVの構造タンパク質に高度に保存されているこが分かっている。そこで、抗相互作用因子抗体、特定のモチーフペプチドの結合に与える影響を予備実験レベルではあるが確認したところ、阻害能が示唆された。今後、結合能・感染能評価系を用いて詳細に検討する。
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Research Products
(3 results)