2012 Fiscal Year Research-status Report
ロタウイルス感染症の防御免疫におけるT細胞の役割に関する研究
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24790454
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
藤井 克樹 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (40518122)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロタウイルス / 免疫応答 / マウス |
Research Abstract |
本研究はマウスロタウイルスを用いて、ロタウイルス感染症における宿主免疫応答を詳細に調べることを目的としている。しかし、マウスロタウイルスに関する知見は少なく、特に我が国においてマウスロタウイルスの感染実験の経験を持つ研究者はごく限られている。平成24年度は、マウスロタウイルス株を所有している研究者と交渉して、実験に用いるウイルス株を入手すること、およびその後のデータ解析法についての検討に注力し、本格的な実験を行うための基礎を固めた。 まず国内でマウスロタウイルス株の使用実績がある藤田保健衛生大学の谷口孝喜教授より、マウスロタウイルス株EWの分与を受け、ウイルスの継代法や接種方法を習得した。また、分与されたウイルスゲノムの全長塩基配列解析を行い、実験に用いるウイルス株についての情報蓄積を進めた。 サンプルの新たな解析手法として次世代シーケンス解析法の利用可能性についても検討を行った。次世代シーケンス解析法はサンプルに含まれる核酸(RNA)を網羅的に解析する手法であり、これまで行ってきたTCRレパトア解析およびreal-time PCRによるサイトカイン定量などを、一度に行う事が可能である。NEBNext Ultra RNA Library Prep Kit for Illumina(NEB)を用いてサンプル調製を行い、MiSeq(Illumina)にて6サンプル同時に次世代シーケンス解析を行ったところ、リード長150 bpの断片が1サンプルあたりおよそ700万リード、1600のcontigを得た。次世代シーケンス解析法はロタウイルス感染マウスの腸管免疫応答を解析する際に有用なツールとなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時には、マウスロタウイルスについての研究実績が全く無い環境であったが、国内のマウスロタウイルスに精通している研究者からウイルス株の分与を受け、更にウイルスの継代法や接種方法について習得したことにより、わずか1年でマウスロタウイルスを用いる研究の基礎を固めることが出来た。 また、近年注目されている次世代シーケンス解析法をTCRレパトア解析に応用することを立案し、実際に利用できることを示した。これは、今後の解析を、より詳細かつ効率的に進める上で非常に有用な知見となる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度から本格的なウイルス感染実験を行い、腸管の病理解析およびT細胞の性状解析を実施する。このとき、従来のTCRレパトア解析法と合わせて、次世代シーケンサーによるTCRの塩基配列解析も利用して研究を進める予定である。相模原病院臨床研究センターでは次世代シーケンサーを用いたTCRの相補性決定領域3(CDR3)の解析システムを構築中であり、場合によっては(費用やデータの質、作業効率などを考慮して)このシステムを利用して研究を進めることも検討している。 ロタウイルスの感染部位に特異的に集積するT細胞のTCR配列パターンが特定されれば、そのTCRを持つT細胞のクローニングを行う。クローニングとエピトープ決定法に関しては申請書に記載した通りの従来法で行うのが最も効率的であると考えている。ロタウイルス特異的T細胞のクローニングに成功すれば、随時T細胞のマウスへの移入実験を行い、防御免疫における各T細胞クローンの役割について解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、実験動物としてBALB/cマウス200匹×1500円/匹=30万円が必要である。また、サンプル調整時に使用する核酸抽出精製キットに40万円、TCRレパトア解析に使用する酵素類として、逆転写酵素、制限酵素、DNA合成酵素などの購入に100万円(約5000円/サンプル×200サンプル)が必要である。次世代シーケンス解析を行う場合、試薬代として同様に100万円程度が必要である。どちらの方法を取るかは研究の進捗状況、それぞれのデータの質や効率などを踏まえて判断する。更にT細胞のクローニングを始める際には、培地や血清などの購入に20万円を使用する。また、学会に参加して成果を発表するため、交通費・宿泊費として7万円を予定している。 合計197万円を使用することを予定している。
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Research Products
(5 results)