2012 Fiscal Year Research-status Report
自己免疫・慢性炎症に重要なILー6アンプの新規制御機構の解析
Project/Area Number |
24790472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小椋 英樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20573174)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 炎症アンプ / NF-kB / ZFP1 |
Research Abstract |
本研究では、炎症アンプ(IL-6 Amp)の制御遺伝子のゲノムワイドスクリーニングにて抽出された遺伝子群の中でも、特にZFP1について研究を行った。本研究を通じて自己免疫疾患や慢性炎症などに関与していると考えられている炎症アンプの制御メカニズムの解析が進めば、それらに対する創薬の可能性が拓かれるものと期待される。今回、ZFP1の炎症アンプへの寄与について詳細に調べた。shRNAによって内皮細胞株にてノックダウン株を作製したところ、IL-6とIL-17による共刺激や単独刺激のほか、TNFaによるIL-6産生が顕著に抑制されていた。また、マイクロアレイ解析を行ってどのような遺伝子群が影響を受けるか検討したところ、TNFa刺激下でNF-kB依存性の遺伝子発現が多く障害されていることが分かった。更に、NF-kB経路が障害されている可能性を検討したところ、NF-kB核内移行までの上流ではintactであったものの、ゲルシフトアッセイによるDNA(kB配列)結合能が大きく障害されていることが明らかとなった。このことからZFP1によりNF-kBのDNA結合能が制御されている可能性が示唆された。また、ChIP assayにより実際に各種プロモーターへのNF-kBの会合について調べたところ、TNFa依存性の会合はやはり障害されていた。現在、既にノックアウトマウスが作成されており、ZFP1欠損MEFを作成する他、各種疾患モデルの誘導に対する影響を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、来年度と実施予定のChIP-sequenceについても概ね実験系が確立できており、またノックアウトマウスの作成などは計画よりも早く進んでいることから計画は順調に進展しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
ZFP1ノックアウトマウスよりMEFを作成し、ノックダウン株で見られた表現系を確認する。このノックアウトマウスを用いてin vivoにおけるZFP1の、特に慢性炎症における役割を検討する。またin vitroではChIP-seqをはじめとする計画を推進し、ZFP1によるNF-kBの制御機構を詳細に検討していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ChIP assayおよびChIP sequence法に用いる試薬、抗体のほか、培養細胞の培養容器や培地、さらにZFP1ノックアウトマウスなどの維持費、野生型マウスの購入費、また疾患モデル誘導のために用いる試薬に使用する。
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