2012 Fiscal Year Research-status Report
転写因子STAT3の、記憶B細胞の生成、維持、機能に果たす役割の解明
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24790473
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 理奈子 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (70584390)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Stat3 / 記憶B細胞 |
Research Abstract |
Stat3-floxマウスにmb1-1creを掛け合わせて得たStat3-B-KOにニトロフェノール(NP)化抗原を投与し、記憶B細胞の形成を経時的に調べた。結果、その形成にStat3は関与していないことが明らかになった。次に、Stat3-floxマウスに、誘導的にcreリコンビナーゼを発現させることが可能なCre-ERTとニトロフェノール(NP)ハプテンに特異的な抗原受容体のノックインマウスを掛け合わせ、記憶B細胞を形成させてからタモキシフェンを投与することで、ほぼ記憶B細胞特異的にStat3遺伝子を欠損させることが可能なマウスを作製した。このマウスを用いた結果、Stat3遺伝子は記憶B細胞の生存に影響を及ぼさないことが分かった。次に、形成された記憶B細胞を単離し、抗原で再活性化させて、その応答を調べた。野生型に比べて、Stat3欠損記憶B細胞の二次応答は有意に低下し、二次応答において、記憶B細胞のStat3が重要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたよりも、マウスの掛け合わせの効率が良く、実験が進む環境にあった。また、実験の成功率も高かったことが、計画以上に進展した理由と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、記憶B細胞の抗原受容体親和性に対するStat3遺伝子の影響を調べる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Stat3-floxマウスにmb1-1creを掛け合わせて得たStat3-B-KOにニトロフェノール(NP)化抗原を投与し、形成された記憶B細胞をシングルセルソーティングし、その抗原受容体への突然変異がどの程度入っているのかを、シークエンスを読むことにより調べる。特に、33番目の置換は大きく抗原受容体親和性に影響するため、その置換が全体細胞の中でどの程度の割合で入っているのかを検証する。
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