2013 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子STAT3の、記憶B細胞の生成、維持、機能に果たす役割の解明
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24790473
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 理奈子 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (70584390)
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Keywords | Stat3 / 記憶B細胞 |
Research Abstract |
Stat3-floxマウスにmb1-1creを掛け合わせて得たStat3-B-KOにニトロフェノール(NP)化抗原を投与し、抗体価、及び、記憶B細胞の形成を経時的に調べた。結果、その数や割合は野生型とStat3-B-KOでは差は認められなかった。しかし、 Stat3-B-KOでは、二次応答において総IgG1抗体に対する高親和性抗体の占める割合が有意に減少しており、Stat3は記憶B細胞における抗原受容体親和性に影響を及ぼすことが明らかになった。次に、Stat3-floxマウスに、誘導的にcreリコンビナーゼを発現させることが可能なCre-ERTとニトロフェノール(NP)ハプテンに特異的な抗原受容体のノックインマウスを掛け合わせ、記憶B細胞を形成させてからタモキシフェンを投与することで、ほぼ記憶B細胞特異的にStat3遺伝子を欠損させることが可能なマウスを作製した。このマウスを用いた結果、Stat3遺伝子は記憶B細胞の生存に影響を及ぼさないことが分かった。次に、形成されたNPハプテン特異的IgG1陽性記憶B細胞を単離した後に抗原で再活性化し、その二次応答性を調べた所、野生型に比べてStat3欠損記憶B細胞のIgG1抗体価は著しく減少していた。以上から、Stat3は、記憶B細胞の形成、維持には不必要だが、その抗原受容体親和性と二次応答性には重要な役目を果たしていることが明らかになった。
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