2013 Fiscal Year Annual Research Report
実験的自己免疫性脳脊髄炎(多発性硬化症)に完全寛解を導入できる新規治療方法の創成
Project/Area Number |
24790483
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
吉田 侑矢 摂南大学, 薬学部, 助教 (50581435)
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Keywords | 免疫寛容 / 自己抗原 / FTY720 |
Research Abstract |
平成24年度には、実験的自己免疫性脳脊髄炎 (Experimental autoimmune encephalomyelitis, EAE) のFTY720休薬後の再燃要因を明らかとした。即ち、MOG35-55で感作・作製したEAEマウスをFTY720単独あるいはMOG35-55との併用療法で3-5週間治療し、その後休薬した。治療完了時の鼠径リンパ節中のCD4+CD44highCD62Llow (エフェクターメモリー) T細胞の割合が、Placebo群と比較してFTY720群で有意 (P<0.05) に上昇しており、この細胞集団のホーミング解除が休薬後の再燃に関与している可能性が考えられた。一方で、FTY720+MOG35-55併用群でもそれら細胞集団の上昇がみられたため、休薬後の再燃抑制には別の要因が考えられた。平成25年度は、FTY720+MOG35-55併用群の再燃抑制機構を明らかとするために、治療完了時及び休薬8日後の鼠径リンパ節中のCD4+細胞の絶対数を解析した。FTY720群では、治療完了時と比較して、CD4+細胞の絶対数が有意 (P<0.05) に減少していたが、FTY720+MOG35-55併用群では維持されていた。また、FTY720+MOG35-55併用群はFTY720単独群と比較して、休薬8日後のCD3+細胞及びCD4+細胞の浸潤が有意 (P<0.05) に抑制されていた。これらのことから、FTY720+MOG35-55併用は二次リンパ組織内に抗原特異的なメモリーT細胞を隔離後、それらに効率よく何らかの機序でアナジーを誘導し、休薬後の放出・再活性化を制御している可能性が考えられた。現在、更に詳細な機序を解明するための検討を加えている。
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Research Products
(3 results)