2013 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞を分化成熟させる胸腺内Tregニッチの実証とそのクロストーク分子機構
Project/Area Number |
24790488
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
深澤 太郎 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 特別研究員 (10565774)
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Keywords | 制御性T細胞 / 胸腺 |
Research Abstract |
Tumor Necrosis Factor α(TNFα)/RelAダブルノックアウトマウス(TA-KOマウス)では胸腺からのTregの流出不全がみられる。我々は胸腺内におけるTreg分化のための微小環境(“Treg niche”)が存在するという作業仮説より、胸腺環境によるTreg流出制御機構について研究している。 我々は前年度までに、1、TA-KOと対照(TNFα単独KO)マウスの胸腺Treg分画間で発現の異なる遺伝子の探索を行い、TA-KO Treg分画で発現増強しているものとしてIL-7Rαを同定した。2、野生型マウス胸腺Treg分画でIL-7Rα陽性分画のほうが陰性分画よりも成熟Tregの頻度が高いことを確認した。これより、IL-7Rαが成熟Tregマーカーとして有用であることを示した。 前年度は、3、IL-7Rα発現をマーカーとして用いTA-KOと対照群とで成熟Treg分画間で発現の異なる遺伝子の探索を行い、49候補遺伝子を得た。一方で、4、TA-KOマウス成熟Tregの流出不全は胸腺環境側でRelAを欠損するためであるが、このRelAの下流因子の探索を目的として、(1)TA-KOと対照マウス胸腺より胸腺上皮細胞と血球系ストロマ細胞(マクロファージ・樹状細胞など)とをそれぞれ単離し、発現遺伝子プロファイルを作成した。(2)胸腺環境側のどの細胞種でRelAを必要とするのかをデオキシグアノシン処理胎児胸腺移植により検討し、結果胸腺上皮でRelAを欠損していても成熟Tregの流出は起こることを見出した。この結果は、成熟Tregの流出制御に、胸腺上皮以外の細胞の関与があることを意味する。本研究は胸腺環境の更なる理解の礎となるものと期待している。
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Research Products
(1 results)