2013 Fiscal Year Annual Research Report
RhoH欠損マウスで認められる乾癬様皮膚炎の発症機構
Project/Area Number |
24790491
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
為広 紀正 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (80597881)
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Keywords | T細胞 / 乾癬 |
Research Abstract |
T細胞はレパトア選択を受ける事により、自己と非自己を認識する能力を得る。自己免疫疾患は自己の分子を異物として認識してしまう異常なT細胞によって齎される病態であり、このためT細胞分化を正確に理解する事が当該研究領域において重要であると考えられる。本研究ではT細胞分化の要衝として働くRhoHという分子を切り口に、乾癬発症機序の解明に取り組んだ。 本研究によって、RhoH欠損マウスの眼瞼で認められる慢性皮膚炎の炎症部位には、CD4陽性細胞や好中球が浸潤しており、またケラチノサイトの増殖促進により表皮が肥厚している事を明らかにした。更に、テープストリッピングによる角質除去はケブネル現象を誘発し、RhoH欠損マウスの炎症像はヒト乾癬患者の病理所見と非常に良く似ていた。このため、RhoH欠損マウスは乾癬モデルとして有用であると期待できる。更に、成熟T細胞とB細胞がいないRAG2欠損マウスとの交配により病態が改善され、RhoH欠損マウスのT細胞特異的にRHoHを発現するトランスジェニックマウスでも病態の進行が阻害された事から、本病態の発症にはT細胞が関与している事が示唆された。 加えて、リンパ節のCD4T細胞のうちTh17細胞の頻度が高く、炎症部位にも浸潤しているTh17細胞が有意に増加しており、Th17の分化や活性化に関わるサイトカインの産生量も高くなっていた事から、本病態はTh17介在性の応答である事が強く示唆された。
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