2012 Fiscal Year Research-status Report
心臓外科領域における医療の質向上に向けた臨床データベースの活用方法に関する研究
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24790498
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 豪 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40583894)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 医療の質 / 臨床データベース / 心臓外科手術 / 医療技術評価 |
Research Abstract |
本研究の目的は1. 医療の質(Performance)の向上という観点から,臨床現場における大規模臨床データベースの活用方法と課題を明らかにして,今後の入力項目検討や分析,各施設へのフィードバックに役立てること、2. 臨床の専門家との連携の元に,Performanceの評価に役立つ機能や指標を検討する体制を構築すること、3. 先行研究をもとに,事例比較研究を行い,臨床データベースの効果的な活用方法に関する社会モデルを構築することである。 平成24年度は、まず、大規模臨床データベースにおけるPerformance評価の枠組みや指標の導入状況に関する文献調査を行った。通常のシステマティックレビューでは,検索ワードを指定して,該当する文献を直接探索するが,本研究の対象である「大規模臨床データベース」はこういった手法での検索が非常に難しい.そこで,まず大規模臨床データベースの同定を行い,その後,データベースごとに関連文献を探索した.大規模臨床データベースとして、全世界のおよそ100の臨床データベースを同定し、それぞれについてPerformance評価の実施状況を確認できる体制を整えた。 次に、心臓外科及び近接領域におけるPerformanceの評価に関する定性的調査を行い、平成25年度に行う定量的調査に向けた枠組みを検討した。また、心臓外科の近接領域であるPCIについて、一都道府県で機能集約を行った場合の患者アクセスへの影響を検討し、機能集約がPerformanceの向上に資する可能性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の予定であった文献調査、定性的調査を行うことができた。並行して行う予定であった、臨床データベースの比較事例調査も進めることができた。また、特に領域の医療の質の向上に患者アクセスが関係することから、患者アクセスに関する予備分析を行い、平成25年度の調査解析に向けた準備を整えることができた。 平成25年度は、24年度の結果を踏まえて、心臓外科の質の向上につながるストラクチャー指標、プロセス指標、アウトカム指標を明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は本研究課題の最終年度である。心臓外科領域と連携しながら、定量的な調査の実施を検討する。インタビュー調査は心臓外科医,循環器内科医,集中治療医を対象に実施する。アンケート調査はJCVSDOの登録施設を対象に,学会場での自記式質問紙調査やインターネット・アンケート調査を検討している。また、収集した文献等を活用しながら,大規模臨床データベースを活用して医療の質の向上を図る上での課題や解決策を明らかにする。分析にあたっては,他領域での活用の際にも役立つようより包括的な視点からの検討を行う。基本的に実施について障害はないが、万が一領域との調整により実施できなかった場合に備えて、既存の資料の活用などにより当該研究課題の実施が可能なよう、体制を整えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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