2014 Fiscal Year Annual Research Report
卒前医学教育改革の支援システム基盤の構築ー英国医事委員会の役割から
Project/Area Number |
24790499
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴原 真知子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40625068)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育認証評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、英国医学教育改革を牽引し、国際的影響力をもつ医学教育認証評価機関General Medical Councilが、実際の医学教育改革にどのような影響を与えているのか、そのメカニズムを明らかにすることを目的として実施されたものである。 本研究の実績は、主に次の2つにある。1つ目は、Quality Assurance(医学教育認証評価)の仕組みの解明である。医学教育の教育基準として"Tomorow's Doctors" (1999, 2003, 2009)を定めつつも、チェックリスト的評価ではなく、各医学校内における教育に関する対話を複数のstakeholderとともに行うことの促進が重視されていることが明らかとなった。学生や医師免許を持たない他職種や市民などが参画することで、19世紀以来の医師のself-regulatorであり続けたGMCは、多職種連携(inter-professional)な組織とすることで、医師の生涯継続的な成長を支援しようとする仕組みづくりは日本にとっても示唆的であると考える。2つ目は、日本国内における医学教育改革の手がかりを得るためのネットワークが構築されたことである。2014年10月より、本研究代表者は「学生と読むTomorrow's Doctors」を立ち上げ、医学教育のstakeholderである学生と教員との対話の場として現在も継続している。3つ目は、新しい研究課題の開拓である。例えば、入学者選抜と入学者多様化政策(Widening Participation)についての研究、現代医学改革の転換点としての1970年代~1990年代への注目、医学のFeminizatiionにみるプロフェッショナリズムの新段階などは、研究期間中に新たに抽出された研究課題であり、それぞれ論文や学会発表などで成果を示しつつある。
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Research Products
(3 results)