2012 Fiscal Year Annual Research Report
腹腔鏡手術下に非接触イメージャを用いた腫瘍局在のより正確な診断法の確立と臨床応用
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24790501
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 崇久 広島大学, 大学病院, 病院助教 (80467779)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 医工連携 / 内視鏡外科手術 |
Research Abstract |
【研究目的】 内視鏡外科手術時の失われた触診能を代償するため、硬さの検出系として空気噴流を用いた肺表面の硬さを感知できる非接触剛性イメージャーを開発した(基盤研究(C)一般(平成19-20年度)、課題番号:19591627)。腹腔鏡手術でも胃癌・大腸癌において切除範囲の決定は漿膜面から腫瘍と正常部位の境界の同定が通常では困難で、一般的に術前に内視鏡下にクリッピングや点墨もしくは手術中に内視鏡を施行し切離線を定めている。本研究では我々が開発した非接触剛性イメージャーにより漿膜面から腫瘍を探索することを可能とし、より正確な腫瘍局在診断を腹腔鏡主術中に行う環境を整えることを目的とした。 【研究実施計画】2年間の研究期間内に3段階の研究実施計画を立てた。 (1)ゼリー・シリコンの臓器モデルを用いイメージャーの最適な印加出力、周波数の設定を探索。 (2)ブタを用いて腫瘍・クリップの検出能力並びに空気噴射による臓器への影響を組織的に検証。 (3)摘出臨床検体を用いクリップもしくは腫瘍の局在を走査し結果の比較検討を行う。 【実績概要】 (1)-1 臓器モデルを用いた実験 今回対象とする大腸は肺に比べ柔らかく、また胃は硬いため改めて初期設定の変更が必要になる。臓器モデルとしてシリコン・ゼラチンモデルをもちいて検証した。イメージャーの最適な印加出力、周波数の設定を探索する過程で非接触感覚イメージャーでは空気を多く含んだ肺では可能であったが、対象の硬度が増した場合測定できないという弱点が浮上した。つまり非接触イメージャーによる走査では対象臓器(物体)の硬度の変化は測定できたが当初目標としていた腸管内腫瘍やクリップを検出するにはエラーが多すぎて判別が困難であると判断した。 (1)-2そこで接触イメージャー(ビーナストロンシステム:AXIOM社製)を用いて走査の可能性を検討した。シリコン製の硬度試験片を用いて硬度測定の信頼性試験を行った。今後は対象臓器の硬さ、検出対象の硬さ、大きさ、深さを変化させてセンサーの検出限界を調べる予定であった。 しかし平成25年3月末にて現職を退職することとなり研究中止申請を行うこととなった。
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