2012 Fiscal Year Research-status Report
讃岐の丘発信:地域医療実習プログラム改善プロジェクト
Project/Area Number |
24790503
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
泉川 美晴 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60624088)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 地域医療実習 / モデルコアカリキュラム |
Research Abstract |
【内容・方法】平成24年度、医学部5年生91名を対象に各1週間の地域医療実習を実施した。期間中、通信端末を備えたPCにより実習先から即時提出できるシステムを用いて、医学教育モデルコアカリに掲げられた地域医療実習に関する一般目標、行動目標について、それぞれの到達度を4段階評価として回答させた。まず各目標の達成率を調べ、次に一般目標「地域医療に貢献する能力が向上した」の自己評価への寄与因子をスペアマン単相関により抽出した。続いて、意識変化を調査するために、地域医療への関心の有無などを実習前後で質問した。 【結果】回答者数は90名(回収率98.9%)。1週間を通して、「プライマリケアの体験」、「在宅医療」、「チーム医療」、「疾病予防・健康維持増進についての体験」対する自己評価は高く、「地域の救急医療の体験」に対する自己評価はやや低かった。また、「地域医療に貢献する能力が向上した」については、「その通り」が77.5%、「どちらかといえばそう」が20.22%、「どちらかといえば違う」、「全く違う」がそれぞれ1.12%であった。有意に寄与率が高かったのは、「コメディカルとのコミュニケーション:ρ=0.409」、「チーム医療の体験:ρ=0.273」の自己評価であった。また、地域医療に対する関心は、「その通り」と「どちらかといえばそう」と回答した学生を合計すると実数前88%から実習後93%に上昇した。実習後に「将来、地域医療に従事してみたいか」質問したところ、12%が「その通り」、78%が「どちらかといえばそう」と回答した。 【考察・意義】本学の地域医療実習において、9割以上の学生がモデルコアカリキュラムの一般目標を達成できたと自己評価した。また、この達成感に影響する因子として、チーム医療の体験の充実やコメディカルとのコミュニケーションの促進が重要である可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
医学部5年生を対象とした地域医療実習が実施され、Webネットワークを利用したアンケートの回収率は90%以上であり、十分な解析が可能となった。また、実習前後でのアンケートにより、地域医療への関心の有無、地域医療の現場がイメージできるかどうか、について意識調査を行った。実習後に、将来地域医療に従事する意思があるか質問し、90%の学生から回答を得ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に収集したWebアンケートのデーターをもとに、どのような実習内容が地域医療に資する能力の向上に影響を与えるかについて統計学的検討を行う。また、実習直後には、「地域医療に従事してみたいか」という質問に多くの学生が肯定的に回答したが、卒業時の進路希望はどのように変化するか、また、この医学部5年生での実習体験が卒業時の進路にどのように影響を与えるかを、平成25年度に調査する予定である。 また、実習施設の担当者らと意見交換を行い、平成24年度の実習の結果を反映した形で平成25年度の新5年生を対象にした地域医療実習のプログラムを改善したので、平成24年度と平成25年度のWebアンケートの自己評価達成度などを比較することで、そのプログラム改善の効果を検討する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品として、統計ソフト購入及び講習会費を計上しデーターの統計学的検討を進める。また、平成25年度地域医療実習で使用するノートPCの通信費や修繕費を計上している。さらに、平成25年度医学生卒業時に行う進路調査に係る費用が必要と考えている。 今回の研究の成果を発信する目的で、論文投稿ならびに学会発表を予定しており、その投稿費、参加費、旅費を計上している。
|
Research Products
(5 results)