2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療の質を高める臨床判断支援が可能な次世代電子カルテシステムの基盤技術開発
Project/Area Number |
24790504
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
木村 映善 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20363244)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 臨床判断支援 / オントロジー / ターミノロジー / 標準医療情報モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では医療情報モデルと知識記述を標準化し、標準医療情報モデルに基づいた診療記録に臨床判断支援アルゴリズムを適用する機構を開発することを目標にした。臨床判断支援サービスを提供することで、ガイドライン策定から医療現場にまで定着するまでの期間を短縮し、医療の安全を高めることに貢献する次世代電子カルテの基幹技術開発と運用可能性を明らかにすることが目的である。計画していた研究項目は、1標準医療情報モデルのモデリング、2 archetype と vMR をマッピングするエージェント開発、3臨床判断支援ルールを適用するためのオントロジマッピング開発、の3つであった。 調査の結果、本研究申請前後に急速に仕様策定が進み、構造が簡明で実装が容易であることから、FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)を標準医療情報モデルとして採用した。現状は、電子カルテシステムはベンダ間によってデータベース構造が著しく異なるため、標準構造データウェアハウスの前身となるMD-ViewからFHIRへのモデル変換エージェントを作成した。エージェントによってマッピングされる対象は、処方、検査、患者基本情報、アレルギー情報を扱う、FHIRの標準モデルとした。 臨床判断支援システムのために、Ruby On Rails上にArden Syntaxを言語内DSLとして実装し、FHIRオブジェクトを操作するフレームワークを構築した。現在、アレルギーと肝炎ウィルスのスクリーニングを実施して評価中である。本研究の目標の一つとして設定していた、「標準医療マスタ群と archetype の各ノードにバインディングするオントロジ連携ツールの試作」相当の部分が実現できていない。来年度以降の研究目標として、このオントロジ連携ツールの開発を継続して行う予定である。
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