2013 Fiscal Year Annual Research Report
がんのケアの質の評価およびケアの質の向上に関する研究
Project/Area Number |
24790507
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
内田 恵 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00569254)
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Keywords | 医療の質 / ケア / がん医療 / 放射線治療 |
Research Abstract |
【結果】名古屋市立大学病院と京都大学医学部付属病院の放射線科外来において、連続サンプリングを行い、282名より同意を得、259名より有効回答を得た。 患者背景は、年齢は平均63.6歳、中央値は66歳、性別は男性が49%女性が51%、がん種は乳がんが40%、前立腺がんが28%、肺がんが14%、大腸がんが2%、その他が13%、放射線療法開始後1週目の人が44%、2週目の人が23%、3週目の人が12%、4週目の人が6%、それ以外が15%、婚姻状況は既婚が80.3%、教育歴は平均13.4年、就労状況はフルタイムが16%、パートタイムが7%、病気休暇中が11%であった。 HADSによる適応障害の診断基準を満たす人(HADS総スコア11点以上)は41.5%、HADSによるうつ病の診断基準を満たす人(HADS総スコアは20点以上)は10.7%であった。CFSで臨床的な倦怠感ありと診断された人は39.7%であった。 実際に受けたケアと比較して、改善の余地がありそうな項目として、①不必要な検査や治療を受けていないか確かめる②治療が終わった後に、家での私のケアをどのようにするか私の家族や友人に説明してくれる、③治療が終了した後、私のケアについて聞きたい事があるときに問い合わせる相手先を私に説明してくれる、④治療が終了した時、健康でいる為に私が出来る事を私に説明してくれる、⑤各予約時に私を診察する医師を選択できる、⑥治療をする医師を選択する事が出来る、等が上がった。 【意義・重要性】これまでがん患者が主観的にケアや治療について評価する尺度は存在しておらず、本研究において、患者視点でのケアの質の評価が得られた事とその結果に基づいた介入を開発する事が出来れば、がんのケアの質が改善され、がん患者の精神的・身体的ストレス予防あるいは緩和を通じて、QOL向上に資する事が想定される。
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Research Products
(2 results)