2013 Fiscal Year Annual Research Report
救急病院の受付停止に伴う地域医療への影響評価:地理情報システムの解析を基礎として
Project/Area Number |
24790508
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
木村 義成 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (20570641)
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Keywords | 救急医療 / 保健医療計画 / 地理情報システム |
Research Abstract |
日本における救急医療体制は、都道府県が作成する二次医療圏単位までの医療計画に基づき整備されてきた。しかし、近年、中山間地域を多く抱える島根県のように、医師不足に伴う救急告示病院の指定取り下げにより、患者の搬送時間の長時間化が懸念されている。したがって、本研究では、救急医療の質の1つの基準として、救急医療機関への搬送時間(アクセシビリティ)を県内の二次医療圏について検討を行った。その際に地理情報システム(GIS: Geographic Information System)を用いて救急医療機関へのアクセシビリティ分析を実施した。 手法としては、平成22年国勢調査町丁・大字、ならびに基本単位区統計データと地理情報システム、ならびに道路ネットワークデータを用いたシミュレーションを組み合わせて、医療圏ごとにアクセシビリティの評価を行った。その結果、二次医療圏ごとのアクセシビリティの差や救急病院告示停止による地域住民への影響が統計データから示唆された。 次に、地理情報システムを用いたシミュレーションに加えて、雲南、松江、出雲、大田の各消防署とデータ受領に関する契約を取り交わしたうえで、平成23年1月~25年10月に各消防署が覚知した全件の救急搬送データを入手し、3年間にわたる救急搬送の変化について解析を実施している。 なお、本研究では島根県と同様に中山間地域を広く擁する和歌山県についても同様の解析を実施した。具体的には和歌山県新宮市の消防から救急搬送のデータの提供を受け、アクセシビリティの分析を実施した。
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