2015 Fiscal Year Annual Research Report
学生ポートフォリオを活用した教育プログラム改善と評価に関する研究
Project/Area Number |
24790513
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
馬谷原 光織 昭和大学, 歯学部, 助教 (30384184)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | テキストマイニング / 質的研究 / 主観的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】ポートフォリオ学習方略を効果的に取り入れるために迅速なフィードバックが重要であるが、多数学生へ迅速なフィードバックにおこなうことは困難であった。本研究は、教育目標を「チーム医療への理解を深めることを目的に、患者の有する問題を把握し、包括的治療やケアプランをグループで立案させる」とする学部間連携教育(600名)で得られた学生文章と教師の評価から、テキストマイニング技術による分類器が、教師のフィードバックを支援できるか検討し、教師が学生の言語表現にどのように着目しているか推定した。 【方法】ポートフォリオは「目標書き出し」「ふりかえり」「成長報告」と題した自己省察文章を用いた。教師は実験的な3段階の主観的評価をおこなった。教師の下した評価と文章特徴を表現する分類器を構築した。質的分析は無作為抽出142名の文章から分類器が統計的に重点をおいた注視すべき2語の組み合わせと、その近傍の学生記述・文脈解釈をおこないコード化し、関連をカテゴリーに集約した。「2語の組み合わせラベル」と「学生記述意図のカテゴリー」「教師の評価」、これら3種類情報は質的分析手法により図式化された。 【結果と考察】分類器精度は8割に収斂し、フィードバック補助で実用的精度であった。質的分析から3種の情報に関連があること、さらに分類器が示した重要度が高い統計上の因子と学生記述文脈(カテゴリー)をリンクし、教師の主観が浮かび上がった。本評価で重要度が高いカテゴリは「他専門分野の意見が重要」で、次に患者中心の医療を「意識できた」(評価低)と「取り入れて治療計画に反映した」(評価高)で強い影響があった。本研究は教師が学生に求めるレベルが主観的評価結果から逆に推測できることを示した。自動評価のみならず、主観的評価を複数教師で共有できる客観的評価へ変えてい具体的な手法を提案している。
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