日本におけるプライマリ・ケア質評価指標の開発

2012 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 24790515
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
• Research Institution: Teikyo University
• Principal Investigator: 井上 真智子 帝京大学, 医療共通教育センター, 助教 (80609090)
• Project Period (FY): 2012-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: プライマリ・ケア / 医療の質評価

Research Abstract

プライマリ・ケアは地域医療の根幹を支えるものであるが、その質の評価は日本ではこれまで行われていなかった。本研究は、日本の保健医療システムにおけるプライマリ・ケアの質評価のための尺度を開発し、医療提供者および住民側の観点からの質の評価と向上に資するものとすることを目的としている。
本年度は、まず日本の保健医療システムにおけるプライマリ・ケアの定義と範囲についての検討を行った。さらに、諸外国におけるプライマリ・ケア質評価指標とそれを用いたエビデンスに関する文献レビューを行った。次に、米国Johns Hopkins大学にて開発され、世界家庭医学会WONCA（World Organization of Family Doctors)のアジア太平洋地域部会において国際的に使用が推奨されているPrimary Care Assessment Tool（PCAT)の日本語訳を作成した。
次年度以降は、この日本語訳につき、プライマリ・ケアの専門家へのインタビューを行い、また検討会議を開催して、日本のプライマリ・ケアの定義を確認し、日本の現状に適した項目とそうでない項目についての意見を求める。それらを質的に分析し、コンセンサスとしての尺度（試用版）を作成する予定である。その試用版について少数のパイロットを行い、回答しやすい文言への修正等を行う。その後、診療所に通院する患者やプライマリ・ケア医を対象としてさらなるパイロット調査を実施し、利用可能性を評価する予定である。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題のための時間が十分確保できなかったため。

Strategy for Future Research Activity

次年度は研究協力者との連絡を密に取り、スケジュールを達成していくよう努める予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度は文献レビュー等や研究ミーティングが中心であったため、次年度への繰越金が887,808円生じた。これと合わせて、次年度の研究費はプライマリ・ケアの専門家へのインタビューと検討会議開催、インタビューデータの分析のための逐語録の作成、パイロット調査実施のための質問紙印刷、送付、謝金のために使用する予定である。