2013 Fiscal Year Research-status Report
依存性薬物感受性・依存症脆弱性個人差におけるCREB遺伝子多型の役割の解明
Project/Area Number |
24790544
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
西澤 大輔 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主任研究員 (80450584)
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Keywords | 薬物依存 / 薬剤感受性 / 薬物感受性・依存症脆弱性個人差の遺伝要因 |
Research Abstract |
下顎形成術の施術対象者検体を用いたゲノムワイド関連解析研究(GWAS)において最有力候補となったCREB1遺伝子を含む連鎖不平衡ブロック内のrs2952768多型に関して、別の物質依存症に関しても普遍的な関連を示す可能性を調べるために、ニコチン依存の指標との間での関連解析を行ったが、有意な関連は見出されなかった。 一方、下顎形成術の施術対象者検体を用いたゲノムワイド関連解析研究(GWAS)において最有力候補となったrs2952768多型が含まれる連鎖不平衡ブロック内のCREB1遺伝子以外の、CREB3、CREB5、ATF2(CREB2)等の主要なCREBサブタイプ遺伝子に関しても、網羅的遺伝子多型解析チップのデータ等を利用した連鎖不平衡解析等により遺伝子多型の絞り込みを行い、ジェノタイピングデータ及びオピオイド鎮痛薬感受性の指標となる臨床データを用いて関連解析を行うことにより、ATF2(CREB2)の3'フランキング領域のrs7583431多型が術前のオピオイド鎮痛薬の効果と多重検定補正後も有意な関連を示した。 その他、現在共同研究先の東京歯科大学水道橋病院において下顎形成術を受ける患者を対象として、rs2952768多型及びこれまで同定された鎮痛薬感受性関連多型(Nishizawa et al., PLoS One, 2009)などを予測変数として、患者個々人に合った鎮痛薬投与量を予測するテーラーメイド疼痛治療を実施しているが(特許庁, 特願2011-288940)、その前向き研究において、今回同定したrs2952768多型が実際に術後24時間鎮痛薬必要量と有意に関連するかどうかを調べ、また他の多型を含めた予測式の妥当性を検証するための症例数は順調に増加しており、合計200症例近くになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度までの研究において、今回同定した多型の近傍に存在するMETTL21A(FAM119A)、CREB1、及びATF2(CREB2)、等の遺伝子がオピオイド感受性に影響するメカニズムの解明のための機能解析解析は充分に進展していないが、CREB1以外の主要なCREBサブタイプ遺伝子に関する関連解析に関してはかなりの進展を遂げ、さらに、応用的臨床研究の解析のための症例数は順調に増加しており、間もなく充分に統計解析可能と思われる症例数に達しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回術前のオピオイド鎮痛薬の効果と多重検定補正後も有意な関連を示したATF2(CREB2)遺伝子の3'フランキング領域のrs7583431多型に関して、主としてオピオイド鎮痛薬を投与された開腹手術症例におけるオピオイド感受性の指標、及び覚醒剤依存、アルコール依存、摂食障害、ニコチン依存等の物質依存症脆弱性または重症度の指標、等との間での関連解析を行い、別の検体におけるオピオイド感受性及び物質依存症等に関しても普遍的な関連を示す可能性を調べる。 その他、関連する共同研究先などと連携し、今回同定した多型の近傍領域に存在するMETTL21A(FAM119A)、CREB1、及びATF2(CREB2)の遺伝子等を対象として、それらの遺伝子がオピオイド感受性に影響するメカニズムの解明のための機能解析を行う。 さらに、現在共同研究先の東京歯科大学水道橋病院において下顎形成術を受ける患者を対象として行っている前向き研究において、今回同定したrs2952768多型等が実際に術後24時間鎮痛薬必要量または術前のオピオイド鎮痛薬の効果と有意に関連するかどうかを調べ、また他の多型を含めた予測式の妥当性を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的には当初の研究期間内に全額を使用すべく計画的に執行したが、年度末近くになっても実験が引き続いており、本年度達成できなかった実験及び解析を次年度に行うこととなった。 物品費 (実験用試薬等)、 旅費、その他等に対して使用予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Genome-wide association study identifies a potent locus associated with human opioid sensitivity
Author(s)
Nishizawa D, Fukuda K, Kasai S, Hasegawa J, Nagashima M, Satoh Y, Higuchi S, Ujike H, Arinami T, Hayashida M, Ikeda K
Organizer
XXIst World Congress of Psychiatric Genetics
Place of Presentation
Boston, USA
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[Presentation] Genome-wide association study identifies a potent locus associated with human opioid sensitivity
Author(s)
Nishizawa D, Fukuda K, Kasai S, Hasegawa J, Aoki Y, Nishi A, Saita N, Koukita Y, Nagashima M, Katoh R, Satoh Y, Tagami M, Higuchi S, Ujike H, Ozaki N, Inada T, Iwata N, Sora I, Iyo M, Kondo N, Won MJ, Naruse N, Uehara K, Itokawa M, Koga M, Arinami T, Kaneko Y, Hayashida M, Ikeda K
Organizer
European Human Genetics Conference 2013
Place of Presentation
Paris, France