2014 Fiscal Year Annual Research Report
イフェンプロジルの依存物質再使用抑制効果の前向き研究
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24790545
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
菅谷 渚 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90508425)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | GIRKチャネル / アルコール依存症 / 飲酒行動 / 前向き研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科外来に通院するアルコール依存症を持つ外来患者68名を対象に、GIRK阻害能のあるセロクラール(20mg×3=60mg)を前期3ヶ月間投与→後期3ヶ月間対照薬シナール(200mg×3=600mg)を投与するグループ(前期投与群)と対照薬を前期3ヶ月間投与→後期3ヶ月間セロクラールを投与するグループ(後期投与群)を作り、飲酒行動などを評定し、比較を行った。 本研究はアルコール依存症患者を対象にした先行研究でも報告されてきたようにドロップアウト率が非常に高く6ヶ月間の研究が遂行できた対象者が少なく、またドロップアウトの原因のほとんどが再飲酒による入院であったため6ヶ月間遂行できた対象者と遂行できなかった対象者が質的に異なる恐れがあった。これらのことを踏まえて、平成25年度よりデータの信頼性が高い対象者を選出したうえで前半3ヶ月のデータのみを用いて解析し、論文執筆・投稿を行ってきた。最終年度はこれまでの査読結果を踏まえて、対象者の選択や解析方法を改善した。まず、データを服薬コンプライアンスや治療に対する動機付けなどを基準により厳しく精査し、46名分のデータを解析した。また飲酒行動重症度において、ベースラインの値を統制して投与3か月後のセロクラール投与群と対照薬投与群の値を比較した。その結果、セロクラール投与群の投与3か月後の飲酒行動重症度は対照薬投与群よりも有意に低かった。この結果はクロスオーバーではないものの、アルコール依存症患者としてより普遍性の高いデータセットをもとに、臨床上もっとも重要な変数と言える飲酒行動において有意な結果が認められたことから非常に重要なものと考えられる。この成果を16th International Society of Addiction Medicine Annual Meetingにて発表し、現在論文にまとめたものを国際誌に投稿中である。
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[Presentation] A randomized and rater-blinded study of the effect of ifenprodil on alcohol reuse in patients with alcohol dependence2014
Author(s)
Sugaya, N., Ogai, Y., Aikawa, Y., Yumoto, Y., Takahama, M., Tanaka, M., Haraguchi, A., Umeno, M., Ikeda, K.
Organizer
16th International Society of Addiction Medicine Annual Meeting
Place of Presentation
パシフィコ横浜会議センター(神奈川県)
Year and Date
2014-10-02 – 2014-10-06