2014 Fiscal Year Annual Research Report
病原因子VirB5とBepAによる猫ひっかき病の血清診断・型別法の確立と病態解明
Project/Area Number |
24790554
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柳原 正志 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40379954)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 猫ひっかき病 / Bartonella henselae / VirB5 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はVirB5 ELISA法を確立し、臨床的有用性について検討を行った。ELISA法の抗原には、各型のGST-VirB5融合タンパク質からPreScission Proteaseを用いてGSTタグを切断し、ゲル濾過クロマトグラフィーで精製したVirB5タンパク質を用いた。VirB5各型のELISA法を確立し、健常人96例および猫ひっかき病(CSD)疑い患者189例(間接蛍光抗体(IFA)法陽性84例、陰性105例)について抗VirB5抗体価を測定した。IFA法を基準とした本法の感度と特異度はそれぞれ、VirB5-1型では感度71.4%、特異度99.0%、VirB5-2型では感度66.7%、特異度100%、VirB5-3型では感度66.7%、特異度99.0%であった。VirB5-1型に陽性を示す例が最も多く、CSD疑い患者189例中76例(40.2%)が陽性となり、VirB5-2型では71例(37.6%)が、VirB5-3型では70例(37.0%)がそれぞれ陽性となった。3つの型をすべて合わせると189例中79例(41.8%)が陽性となった。また、IFA法陰性105例中18例(17.1%)でVirB5 ELISA法陽性となる不一致例を認め、このうち10例ではWestern blot法によってVirB5特異抗体を検出した。これら不一致例は臨床的にCSDが強く疑われる症例であった。本研究で確立したVirB5 ELISA法は、IFA法の感度を上回ることができなかったものの、特異度は高く、IFA法陰性VirB5 ELISA法陽性の不一致例を検出した。今後、VirB5と他のCSD特異抗原との組み合わせにより、CSDの血清学的診断法の検出感度の向上が期待される。
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