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2012 Fiscal Year Research-status Report

マイトファジー誘導機序の解明とその臨床検査への応用

Research Project

Project/Area Number 24790556
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

青木 義政  九州大学, 大学病院, その他 (80419514)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsマイトファジー / ミトコンドリア
Research Abstract

ミトコンドリアは細胞内のエネルギーを供給する重要なオルガネラであるが、同時に活性酸素を放出するため、酸化傷害を受けやすい。このため傷害を受けたミトコンドリアはオートファジーによって分解除去され、結果として細胞内におけるミトコンドリアの品質が維持されている。本研究では、ヒト培養細胞におけるミトコンドリアオートファジー(マイトファジー)の誘導に関わるシグナル経路を同定し、そこで得られた知見を応用して、マイトファジー誘導の際に細胞外に放出される物質を同定すること、さらには細胞外に放出される物質を患者血清で測定することでマイトファジー誘導の指標となる臨床検査法を確立することを目的とする。
蛍光タンパク質Keimaは、pH依存的にその構造が変化し、発光に必要な励起光波長が中性環境では440nmであるのに対し、酸性環境では590nmに変化する。このKeimaにミトコンドリア局在シグナルを付けたMt-Keimaは、ミトコンドリアに局在し、マイトファジー誘導前はミトコンドリア内、即ち中性環境であるため440nmで励起されるが、マイトファジー誘導によりリソソーム内に入ると酸性環境となり590nmで励起されるようになる。我々は、Mt-Keima発現培養細胞を作製し、マイトファジーの観察に成功している。
平成24年度は、マイトファジー誘導に関わるシグナル経路の解明を試みており、HeLa細胞やCos7細胞において、Erk2やP38などのMAPキナーゼがマイトファジー誘導に必要であること、さらになぜこれらのキナーゼがマイトファジーに関与しているのかを研究してきた。これらのMAPキナーゼの上流、すなわちMEK1/2やRafなどとマイトファジーの関連を調べたところ、これら上流の因子の多くがマイトファジーに関連していることを明らかにすることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度の研究計画は、Mt-Keimaを用いたマイトファジーの観察系を完成させ、さらにマイトファジー誘導に関わるシグナル経路を解明する予定であった。予備実験において、MAPキナーゼが関連していることが明らかになりつつあったが、平成24年度中に、MAPキナーゼErk2やP38とマイトファジーの関連をほぼ完全に明らかにすることができ、さらには、その上流のMEK1/2やRafなどの関与も解明できている。このようなことから、本研究課題は順調に推移していると評価した。

Strategy for Future Research Activity

上述のように、マイトファジーのシグナル経路の解明に一定の成果が挙がってきているため、今後は、シグナル経路のさらなる詳細な解明と、マイトファジーの臨床検査への応用に向けた研究とを並行して推進していく。
具体的には、すでにほぼ解析が終わっているErk2やP38の下流の因子がマイトファジーに関係しているかどうかを調べていく。
また、臨床検査への応用に向けた研究に関しては、プロテオミクスの手技を向上させ、細胞培養中の培地やヒトを含む動物血清中から、マイトファジーに関係する微量タンパク質の同定が可能であるかどうかを確かめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究代表者は、大学病院の主任臨床検査技師としての業務と本研究課題を並行して行っている。ここ数年間、臨床検査検体数が激増し、日中は研究に従事するのが困難となってきた。このため、本研究を推進するために研究補助者を採用し、研究代表者が夕方以降に研究に利用するサンプルの調製等を行ってもらっている。したがって、研究費の一部は人件費・謝金として使用する。
また、細胞培養や遺伝子操作を行うため、プラスチック製品、培地、血清、プライマー、RNAi合成、DNA精製カラム、各種キット製品等の消耗品に使用する予定である。
さらには、研究成果が蓄積されると、国内の学会で発表する予定であり、国内旅費としても使用する予定である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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