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2013 Fiscal Year Research-status Report

マイトファジー誘導機序の解明とその臨床検査への応用

Research Project

Project/Area Number 24790556
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

青木 義政  九州大学, 大学病院, 主任臨床検査技師 (80419514)

Keywordsマイトファジー / ミトコンドリア
Research Abstract

ミトコンドリアは細胞内のエネルギーを供給する重要なオルガネラであるが、同時に活性酸素を放出するため、酸化傷害を受けやすい。このため傷害を受けたミトコンドリアはオートファジーによって分解除去され、結果として細胞内のミトコンドリア品質は維持されている。本研究では、ヒト培養細胞におけるミトコンドリアオートファジー(マイトファジー)の誘導に関わるシグナル経路を同定し、そこで得た知見を応用して、マイトファジー誘導時に細胞外に放出される物質を同定すること、さらには細胞外に放出される物質を患者血清で測定することでマイトファジー誘導の指標となる臨床検査法を確立することを目的としている。
平成25年度の研究では、平成24年度に行ったKeimaを用いたマイトファジー観察法の確立の実験をさらに推進し、MAPキナーゼとマイトファジーの関連を更に詳細に解析した。また、出芽酵母をもちいたマイトファジー研究も並行して行い、次のことを解明した。マイトファジー誘導時には、TORの下流でUme6-Sin3-Rpd3複合体がミトコンドリア外膜タンパク質Atg32の発現抑制を行っており、飢餓などのTOR抑制刺激によりAtg32が誘導され、このことが効率的なマイトファジー誘導に関わっていることが明らかとなった。Rpd3やSin3はヒトにもホモログあり、こうした知見を発展させヒトにおけるマイトファジー誘導時に起こる現象の解明に応用することで、目的とするマイトファジー誘導時に患者血清に放出される可能性のある物質の推測が可能になるのではないかと思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度の研究計画は、マイトファジーを誘導する可能性のある様々な刺激を培養細胞に与えることで、Mt-Keima発現細胞を用いてマイトファジーを観察し、適切なマイトファジー誘導条件を求めることにある。こうした条件検討は、十分になされ、飢餓や低酸素といった誘導条件が適切であるということ、阻害剤などでマイトファジーが適切に抑制されることが判明した。しかしながら、培養上清からのタンパク質を抽出する技術もある程度確立できているものの、実際の解析には至っていない。一方で、並行して行った出芽酵母の研究で、上述のように十分な成果が挙がり、今後の研究に大きく貢献できると思われる。このようなことから、本研究課題は順調に推移していると評価した。

Strategy for Future Research Activity

前述のようにマイトファジーのシグナル経路の解明において、ヒト培養細胞、出芽酵母と2つの生物種を用いた実験で一定の成果が挙がっている。今後は、シグナル経路のさらなる詳細な解明を行い、そこから得られた成果を基盤として、マイトファジーの臨床検査への応用に向けた研究とを並行した推進していく。具体的には、Sin3やRpd3のヒトホモログとマイトファジーの関連を詳細に調べることでヒトにおけるマイトファジーのシグナル経路を解明する。また、臨床検査への応用に向け、ヒト培養細胞から得られたタンパク質をLC-MSを用いて解析していく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究代表者は、大学病院の主任臨床検査技師としての業務と本研究課題を並行して行っている。ここ数年間、臨床検査検体数が激増し、日中は研究に従事するのが困難となってきた。このため、本研究を推進するために研究補助者を採用し、研究代表者が夕方以降に
研究に利用するサンプルの調製等を行ってもらっている。したがって、研究費の一部を人件費・謝金として使用したことから、当初計画した使用予定からズレが生じてしまった。
細胞培養や遺伝子操作を行うための、プラスチック製品、培地、血清、プライマー、RNAi合成、DNA精製カラム、各種キット製品等の消耗品に使用する予定である。また、LC-MS解析のサンプル調整のための試薬類、消耗品類等にも使用する予定である。さらには、研究成果が蓄積されると、国内の学会で発表する予定であり、国内旅費としても使用する予定である。
なお、場合によっては、研究費の一部を人件費・謝金として使用する可能性もある。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Casein kinase 2 is essential for mitophagy2013

    • Author(s)
      Kanki T, Kurihara Y, Jin X, Goda T, Ono Y, Aihara M, Hirota Y, Saigusa T, Aoki Y, Uchiumi T, Kang D.
    • Journal Title

      EMBO Rep

      Volume: 14 Pages: 788-794

    • DOI

      10.1038/embor.2013.114.

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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