2012 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈内皮障害の包括的早期診断を目指したmicroRNA解析による探索的研究
Project/Area Number |
24790559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 知範 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60535235)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | micorRNA / 内皮障害 / 冠動脈疾患 / 探索的研究 |
Research Abstract |
2012年4月以降に名古屋市立大学病院循環器内科を受診され、冠動脈疾患を疑い精査目的のため新たに心臓カテーテル検査を施行予定である30~80歳の患者を対象とした。平成24年度は、冠動脈疾患疑いで入院した15名の患者の同意を得て初回登録を行った。心臓カテーテル検査を行う前に末梢血採取により内皮や血栓に関連した内皮依存性生理活性物質(セロトニン、S1P)、炎症・酸化ストレス関連因子、血栓・凝固線溶因子の測定を行い、前腕虚血後の反応性充血を用いて血管内皮機能を測定した。入院翌日にて診断を確定のため心臓カテーテル検査を実施した。冠動脈に有意狭窄を認めず、冠攣縮が疑われる場合には誘発試験により冠攣縮性狭心症の診断を行った。結果、15名の患者のうち9名は器質的狭窄を認めてカテーテル治療の適応と判断したが、3名は冠動脈に有意狭窄を有するものの末梢病変でカテーテル治療の適応は乏いと判断した。ほかの3名は器質的狭窄を認めないものの、スパズム誘発試験陽性で冠攣縮性狭心症と診断した。これらの患者は経皮的冠動脈治療または薬物投与などガイドラインに沿った治療を実施した。残りの6名は冠動脈に有意狭窄を認めず、スパズム誘発試験も陰性で、冠動脈疾患は否定された。この中で、器質的狭窄を呈してカテーテル治療を実施した4名の狭心症患者、3名の冠攣縮の患者、いずれも陰性で正常であった2名患者の血漿サンプルを用いてmicroRNAを抽出し、microRNAアレイによる網羅的解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年間で約50名の患者登録を予定していたが、昨年度は15名しか登録できなかった。昨年度に当院に来院された新規虚血性心疾患患者は急性心筋梗塞または不安定狭心症患者の割合が大きく、これらの患者は本研究には適さない集団であった。今年度は昨年度の患者追跡も行う必要があるが、さらに新規登録を目指す必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当院通院され同意が得られた患者に対して、治療開始の約1年後に登録時と同様の検査とアレイ解析により得られたmicroRNAの項目に関して治療介入後の動態を評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は昨年同様に新規の登録に加えて追跡研究を行う。これまで同様に内皮機能測定や検体処理の消耗物品に充てる。さらに、アレイ解析によって得られた項目についてreal-timePCRで定量評価を行うため、primerの作成や購入費用にも充てる。また、変動項目をさらに絞る必要性が考えられ、microRNAのアレイ解析を追加で行う場合の費用に充てる。
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