2015 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈内皮障害の包括的早期診断を目指したmicroRNA解析による探索的研究
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24790559
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
杉浦 知範 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60535235)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 冠動脈 / 狭心症 / 内皮障害 / microRNA / 酸化ストレス / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化病変進行過程の病態である冠動脈疾患患者における血管内皮機能、内皮作動性物質の測定に加えて、microRNA解析による冠動脈内皮障害の包括的評価を目標として研究を実施した。 まず、第一試験として血管内皮障害の初期段階と考えられる健常喫煙者を対象として禁煙前後でmicroRNA解析を行い、内皮に関連したmicroRNAに変化が現れるか検討した。結果、8週間の禁煙の後に内皮機能は改善し、流血中のmicroRNA 126は有意に増加した。この結果により流血中のmicroRNA 126が病態変化により変動することが確認され、特に禁煙による内皮障害からの回復を反映することが示唆された。続いて生活習慣病を有する患者において血管内皮に関連した指標のなかから冠動脈疾患の診断に有用で内皮障害の可能性を示唆する項目の検討を行った。結果、心血管危険因子を有する患者において血液中のセロトニン濃度は酸化ストレスや冠動脈疾患の罹患と有意に関連を認めた。最後に、冠動脈疾患患者を対象として血管内皮機能、内皮作動性物質、炎症・酸化ストレス、血栓、凝固線溶因子に加えて、microRNAの網羅的解析を行い、冠動脈内皮障害の指標となりうるか検討した。マイクロアレイ解析の結果から、A群(normal)と比較してB群(VSA)で発現増加を認めたmicroRNA 14項目、発現低下認めたmicroRNA 1項目、A群(normal)と比較してC群(AP)で発現増加を認めたmicroRNA 1項目、発現低下認めたmicroRNA 24項目、そしてA群(normal)と比較してB+C群(VSA+AP)で発現増加を認めたmicroRNA 5項目、発現低下認めたmicroRNA 30項目であった。このなかからA群(normal)と比較してC群(AP)で発現低下しており、B+C群(VSA+AP)で評価しえも有意に発現低下を認め、さらに個々の検体での発現頻度の高さから最も重要な標的候補を絞り検討を行った。
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Research Products
(4 results)