2012 Fiscal Year Research-status Report
位相差トラッキング法による局所血管弾性率の臨床的有用性の実証
Project/Area Number |
24790561
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小形 幸代 自治医科大学, 医学部, 助教 (10448847)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 位相差トラッキング法 / 頸動脈超音波検査 / 頸動脈プラーク / 高血圧症 |
Research Abstract |
位相差トラッキング法は頸動脈超音波検査の画像から血管壁の厚みの変化から弾性率を求める方法であるが、頸動脈超音波検査の画像をオフラインで他のコンピュータへ転送し、独自に作成した位相差トラッキング法のソフトにより解析する必要がある。この一連の作業についてはシステム化が終了し、対象患者の測定を実施できる状況である。 研究1;位相差トラッキング法による弾性率の頸動脈プラークに対する有用性の実証;(1)頸動脈プラークの弾性率の経時的変化の観察については、高血圧患者の中からプラークが良好に観察できる症例を選択しており、現在、対象症例のデータ収集中である。 (2)頸動脈プラークの弾性率分布図と病理組織との比較検討については、頸動脈狭窄の治療として内膜切除術を実施する患者が対象となり、対象となる症例が現在はいないため、症例の登録は現在まだない。対象症例がいれば、位相差トラッキング法による弾性率と病理所見を対比する準備はできている。 研究2;高血圧における位相差トラッキング法による弾性率の有用性の実証。対象症例の初回の登録は済んでおり、現在、予後の追跡中である。 本年度は環境整備、システム構築、データ収集が主な計画内容であり、環境整備、システム構築については終了している。データ収集についても順調に収集しており、来年度も継続していく予定である。 日本臨床検査医学会雑誌に早期動脈硬化の新たな検査法として位相差トラッキング法の原理や頸動脈壁やプラークの弾性率について症例も交えて報告した(日本臨床検査医学会雑誌、60巻:887-894. 2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1-(2)については、最近、頸動脈ステント留置術が治療法として簡便で患者の身体的負担が少ないことから普及しつつある。そのため、手術で病理検体を採取する機会が少なくなってきた。この理由より症例の収集に時間がかかる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1;位相差トラッキング法による弾性率の頸動脈プラークに対する有用性の実証(1)頸動脈プラークの弾性率の経時的変化の観察(対象;頸動脈プラークをもつ高血圧患者)平成24年度開始の研究の継続。これらのデータを収集・解析し、プラークの経時的変化および脂質、アポ蛋白、炎症マーカー、血管特性との関連性を検討する。また、降圧剤、スタチンのプラークに対する影響を統計学的に検討する。(2)頸動脈プラークの弾性率分布図と病理組織との比較検討(対象;頸動脈内膜切除術を実施する頸動脈狭窄症例)平成24年度開始の研究の継続。頸動脈超音波検査によるBモード画像、弾性率分布図、病理組織を比較し、プラークの成分について弾性率対比検討する。 研究2;高血圧症における位相差トラッキング法による弾性率の有用性の実証(対象;20歳以上80歳未満の高血圧患者)平成24年度開始の研究の継続。データの取集・解析;結果をデータベース化し統計学的に分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に購入予定であったコンピュータやその周辺機器については、平成25年度に購入予定である。コンピュウータ一式に900,000円を使用しデータ管理・保存のためUSBメモリやハードディスク、コンピュータ周辺機器、コンピュータ関連消耗品に対し600,000円を使用する予定。学会、研究会の旅費に500,000円を使用する予定。謝金として300,000円、ファイル等の事務用品に100,000円を使用する予定である。
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