2013 Fiscal Year Research-status Report
位相差トラッキング法による局所血管弾性率の臨床的有用性の実証
Project/Area Number |
24790561
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小形 幸代 自治医科大学, 医学部, 助教 (10448847)
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Keywords | 位相差トラッキング法 / 頸動脈超音波検査 / 頸動脈プラーク / 高血圧症 |
Research Abstract |
位相差トラッキング法は頸動脈超音波検査の画像から血管壁の厚みの変化から弾性率を求める方法である。この弾性率を求めるための画像解析に関わる一連のシステム化についてはすでに終了している。 研究1;位相差トラッキング法による弾性率の頸動脈プラークに対する有用性の実証;(1)頸動脈プラークの弾性率の経時的変化の観察については、高血圧患者の中からプラークが良好に観察できる症例を選択しており、対象症例の経過観察、データ収集・整理中である。平成26年度はデータの統計学的解析を行う予定である。(2)頸動脈プラークの弾性率分布図と病理組織との比較検討については、病理用検体を一症例採取した。エコー画像は取得済みで、今後弾性率分布図の作成および病理組織標本の作製する予定である。症例登録が遅れているが、この主な原因は頸動脈狭窄に対しての頸動脈ステント留置術が普及したことにより、内膜切除術を実施する患者が減少していることである。平成26年度も適応症例がいれば、順次登録し、エコー画像の保存、弾性率分布図の作成、病理組織標本の作製を行う。 研究2;高血圧における位相差トラッキング法による弾性率の有用性の実証。対象症例の初回の登録は済んでおり、経過の追跡中である。登録症例のデータは順次データベースに入力中である。平成26年度は頸動脈弾性率と他の血管特性の計測法の関連を明らかにするため、測定値をデータベース化し統計学的に分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究1-(2)については、最近、頸動脈ステント留置術が治療法として簡便で患者の身体的負担が少ないことから普及しつつある。そのため、手術で病理検体を採取する機会が少なくなってきた。この理由より症例の収集に時間がかかる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1;位相差トラッキング法による弾性率の頸動脈プラークに対する有用性の実証 (1)頸動脈プラークの弾性率の経時的変化の観察(対象;頸動脈プラークをもつ高血圧患者)平成24年度開始の研究の継続。これらのデータを収集・解析し、プラークの経時的変化および脂質、アポ蛋白、炎症マーカー、血管特性との関連性を検討する。また、降圧剤、スタチンのプラークに対する影響を統計学的に検討する。 (2)頸動脈プラークの弾性率分布図と病理組織との比較検討(対象;頸動脈内膜切除術を実施する頸動脈狭窄症例)平成24年度開始の研究の継続。頸動脈超音波検査によるBモード画像、弾性率分布図、病理組織を比較し、プラークの成分について弾性率対比検討する。登録が遅延しているため、他施設にも協力を求める。 研究2;高血圧症における位相差トラッキング法による弾性率の有用性の実証(対象;20歳以上80歳未満の高血圧患者) 平成24年度開始の研究の継続。データの取集・解析;結果をデータベース化し統計学的に分析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究1-(2)で使用する予定であった研究費が症例登録の遅延により、使用せず次年度に繰り越すこととなった。また、人件費や謝金についても研究の遅れに伴い残金が生じた。 人件費・謝金に600,000円を使用する予定である。病理検体作成費に300,000円、コンピュータ一関連のソフトに400,000円を使用しデータ管理・保存のためUSBメモリやハードディスク、コンピュータ周辺機器、コンピュータ関連消耗品に対し400,000円を使用する予定。学会、研究会の旅費に500,000円を使用する予定。ファイル等の事務用品に100,000円を使用する予定である。
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