2014 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析による乳癌の5-FU耐性機構の解明とその応用
Project/Area Number |
24790565
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
木村 光誠 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20623846)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 抗癌剤耐性 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに抗癌剤の獲得耐性に着目し、二次元電気泳動の手法を用いてプロテオーム解析を行い、抗癌剤耐性に関与すると思われるタンパク質を同定、その機能解析を行っている。今回は5-FU系抗癌剤に着目し、その耐性獲得との関与が疑われるタンパク質を同定し、そのタンパク質に関してsiRNAの手法を用いて、薬剤感受性の変化を検討している。具体的には大腸癌細胞株を用いて候補タンパク質を同定した。 候補タンパク質の一つであるHP27に関してはsiRNAの手法にて薬剤感受性が変化することを確認した。またHP27に関して、耐性獲得マーカーとして応用できるかを患者血性を用いて検討するため、5-FU系経口抗癌剤投与中の再発乳癌患者を対象に、定期的に血性を採取し、ELISA法を用いて、血性中濃度と治療効果とを比較検討した。結果としては、若干の傾向がみられたものの、少数例での検討でもあり、現在のところその意義は見いだせていない。 またプロテオーム解析にて、別の候補タンパク質としてProhibitinとTFAMを見出した。これに関しても、上記HP27と同様に検討を進めていく予定であったが、電気泳動法の結果の再現性に問題があり、最終年度も、様々に条件を調整し再現性の向上に努めるも、改善せず、その後の検討を中止した。 このほか、タキサン系抗癌剤であるパクリタキセル耐性乳癌細胞株を入手し、プロテオーム解析をおこなった。結果、アポトーシスや細胞周期に関するいくつかのタンパク質が候補タンパク質として見出されたが、これについても再現性について再度検討中である。
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