2012 Fiscal Year Research-status Report
チオールプローブを用いたアミノグリコシド耐性菌迅速検出法の開発
Project/Area Number |
24790571
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Research Institution | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
Principal Investigator |
安藤 公英(北尾公英) 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究員 (80462787)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アミノグリコシド |
Research Abstract |
チオールプローブを用いた発色法による耐性菌検出に関しては、各種界面活性剤を用いてNCGM2.S1、NCGM798、PAO1、ATCC27853の菌体溶解液を調製し、アミノグリコシド、アセチルCoA、およびDTNBを含むTris緩衝溶液を用いて呈色反応を観察した結果、アミノグリコシド(6’)-N-アセチル基転移酵素を産生しているNCGM2.S1、NCGM798にのみ呈色反応が起こることを確認した。25℃で反応させるよりも、37℃で反応させる方が有効である事が明らかになった。 チオールプローブを用いた蛍光法による耐性菌検出に関しては、上述の方法と同様にNCGM2.S1、NCGM798、PAO1、ATCC27853の菌体溶解液を調製し、アミノグリコシド、アセチルCoA、および蛍光チオールプローブを含むTris緩衝溶液を用いて呈色反応を観察した結果、アミノグリコシド(6’)-N-アセチル基転移酵素を産生しているNCGM2.S1、NCGM798にのみ呈色反応が起こることを確認したが、蛍光シグナルは弱い事が明らかとなった。 検出法開発と同時に、チオールプローブを用いて、本検出法の標的とするアミノグリコシド(6’)-N-アセチル基転移酵素の反応機序の解析も実施した。酵素の3D予測構造を元に予測アミノグリコシド結合部位のアラニンスキャン解析を行い、呈色反応により反応の有無を観察した結果、アミノグリコシド6’-N-アセチル基転移に必須のアミノ酸を同定した。呈色反応が見られない変異体産生株は、各種アミノグリコシドのMICも低下していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究計画に記載した実験をほぼ全て行う事ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床分離株を用いて、発色法あるいは蛍光法によるアミノグリコシド耐性検出の有用性を検証する。aac(6’)遺伝子を保有しているアミノグリコシド耐性緑膿菌株、耐性機序が不明なアミノグリコシド耐性緑膿菌株、アミノグリコシド感受性緑膿菌株を試験対象とする。同時に、アミノグリコシド耐性および感受性アシネトバクターについても試験する。 同時に、キット化を目指すためのプロトコールを確立する。具体的には、発色法の場合、基質を含む菌体溶解液の安定性の検討を行う。また、菌体溶解液にピペットを使用せずに基質を加えられるシステムを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検出法開発に必須である抗生剤、チオールプローブ、バファー等のに購入する。病原細菌取り扱いのため、菌の培養容器や検出に使用する各種試験管、マイクロプレート、などは、基本的に使い捨てできるものを購入する。また、酵素の機能解析のために、精製カラムやバファー等も必要であるとされる事が予想される。この他に、一般試薬・一般器具を購入する。
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