2013 Fiscal Year Annual Research Report
掻破による快感が過剰掻破を引き起こす脳内メカニズム
Project/Area Number |
24790584
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
望月 秀紀 生理学研究所, 統合生理研究系, 特任助教 (40392443)
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Keywords | 痒み / 掻破 / 快感 / 脳機能イメージング |
Research Abstract |
過剰掻破はアトピーなどの痒みの治療で問題となっている。過剰掻破の原因のひとつとして掻破による快感が指摘されているが、そのメカニズムはほとんど検討されていない。そこで、本研究では、ヒトを対象とした脳機能イメージング法により、掻破による快感が過剰掻破を引き起こす脳内メカニズムについて検討した。本年度は掻破による快感が過剰掻破を誘発することを実験的に再現することに成功した。すなわち、掻破による快感が強いほど、掻破時間が延長するという関係性が確認された。fMRI実験で快感時に運動関連領野の活動が亢進することを発見した。この点を考慮すると、fMRIや脳時図で観測した掻破や掻破欲求に伴う運動関連領野の活動は快感が強いほどより大きく変動する可能性が高い。今後その点について詳しく検討しなければならない。掻破によって快感が生じているときには、報酬系という脳部位(中脳や線条体)、知覚に関係する一次体性感覚野、情動に関係する島皮質が活動することが明らかとなった。脳局所の神経活動を操作できるtDCSを用いて、それら脳部位が快感に関係することを確認するための検討も本年度に着手した。掻破による快感の強さは与える痒みの強さに依存するが、tDCS刺激を脳局所に与えることにより痒みが減弱してしまうことがわかった。今後、この点を考慮した実験デザインを組み、各脳部位の快感との関係を正確に評価したいと考えている。本研究は、脳機能イメージング技術を用いることにより、掻破による快感や過剰掻破の脳内メカニズムについて世界で初めて検討した。その結果、快感に関係すると考えられる脳部位を同定した。また、快感が過剰掻破を引き起こす原因として運動関連領野が関係する可能性があることもつきとめた。快感に伴う過剰掻破の脳内メカニズムを理解するうえで大きな前進となった。
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Research Products
(4 results)