2013 Fiscal Year Research-status Report
薬物治療を受けていない高血圧患者における梅酢ポリフェノールの降圧作用
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24790590
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
竹村 重輝 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70511559)
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Keywords | 梅酢ポリフェノール / 高血圧 / ランダム化比較試験 / 一次予防 / 抗酸化作用 |
Research Abstract |
平成25年9~12月の14週間で、二重マスキングによるランダム化比較試験を実施した。和歌山県みなべ町に在住または在勤している男女(30~65歳)において、健康診査会場等で、正常高値血圧~I度高血圧に該当する、降圧剤投与を受けていない者を募集し、72人の参加同意を得た。開始時に、調査会場で質問票調査・血圧測定・身体測定・採血を行い、性・年齢・開始時の血圧により、対象者を無作為に2群に分けた。各群は、カプセル(プラシボ、または梅酢ポリフェノール原体[1カプセルあたり200mg])を1日4カプセル、12週間毎日摂取した。その後、カプセルを摂取しない期間を2週間設けた。14週間毎日、起床時と就寝前に、通信機能付き自動血圧計で家庭血圧測定を行った。家庭血圧データは通信回線経由で自動的に回収された。また、2~4週間ごとに、調査会場で質問票調査・血圧測定・身体測定を行った。採血は、調査開始時と12週後に行った。 72人全員が14週間の調査を完了した。降圧剤等の薬剤使用、基礎疾患、梅の摂取状態等により16人を除外し、56人を解析対象とした。秋から冬にかけての気温低下に伴い、家庭血圧が12週間で上昇したが、ポリフェノールによる降圧作用は明らかでなかった。続くカプセルを摂取しない2週間では、ポリフェノール群で血圧上昇を認めた。質問票SF-8でみた健康度は、身体的サマリースコアがポリフェノール群で有意に上昇した。その他の身体的健康に関するスコアもポリフェノール群で有意に上昇した。精神的サマリースコアには有意な変化を認めなかった。血液検査では明らかな有害事象を認めなかった。一過性の症状を訴える者や、季節変化に伴う血圧上昇に伴い降圧剤を開始する者はいたが、明らかな有害事象を認めなかった。 梅酢ポリフェノールには血圧上昇を抑える効果を有する可能性があり、身体的健康を向上させる効果があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に予定していた二重マスキングによるランダム化比較試験を、予定通り完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、カプセルは用いない。平成25年度の対象者を、カプセル使用終了から3ヵ月後、6ヵ月後、9ヵ月後および1年後に、質問票を用いて健康状態の評価を行う。また、カプセル使用前後の健康診査データ(血圧測定・身体測定・血液検査・生活習慣等)を比較する。これらの所見をあわせて、梅酢ポリフェノールの循環器疾患危険因子改善効果の持続性を総合的に評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の支払いに際して諸々の端数が発生し、その結果として次年度使用額が生じた。 平成25年度に調査対象となった者を対象とした、平成26年度の追跡調査に必要な費用に充当する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Are Umezu polyphenols in the Japanese plum (Prunus Mume) protective against mild hypertension and oxidation ? Evidence from a double-blind randomized placebo-controlled trial.2013
Author(s)
Takemura S, Yoshimasu K, Mure K, Fukumoto J, Nishio N, Kitano N, Kishida K, Yano F, Mitani T, Takeshita T, Miyashita K.
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Journal Title
Open Journal of Preventive Medicine.
Volume: 3
Pages: 561-569
DOI
Peer Reviewed
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