2013 Fiscal Year Annual Research Report
インジウム等重金属曝露作業者における酸化ストレスマーカーとの量影響関係
Project/Area Number |
24790591
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩澤 聡子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10570369)
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Keywords | 酸化ストレスマーカー / 8-iso-PGF / 8-OHdG / 金属インジウム / インジウム化合物 / 鉛 / 産業疫学 / 量影響関係 |
Research Abstract |
前年度には鉛曝露が比較的高い鉛蓄電池工場にて、最終年度には、金属インジウムおよびインジウム化合物取扱い作業場にて疫学調査を実施した。 二次鉛精錬工場における男性作業者27名に対して全血中鉛濃度(BLL: blood lead level)と尿中デルタアミノレブリン酸(δ-aminolevulinic acid: ALA)、および尿中に含まれる酸化ストレスマーカーで、DNAの酸化損傷の指標である8-hydroxy-2’-deoxyguanosine (8-OHdG)、細胞膜やLDLに含まれるアラキドン酸の過酸化指標である8-iso-prostaglandin F2α(8-iso-PGF)との関連を見た。 BLLとの相関係数はALA、8-OHdG、8-iso-PGFで0.659、0.696、0.692であり、BLLによる3分位により9人ずつ3群に分けたそれぞれを群間比較したところ、いずれもBLLの上昇に応じ有意に値が上昇した。また鉛1μg/dLあたりのこれに対するオッズ比は、8-OHdGで1.078、8-iso-PGFで1.067であった。よってこれらは酸化ストレスマーカーとしてBLLの上昇に対し有意な変化を示すと考えられる。 最終年度には、金属インジウムおよびインジウム化合物作業者59名に対し、血清インジウム濃度(μg/L :In-S)と尿中8-iso-PGF (pg/mg・cre) および尿中8-OHdG(ng/mg・cre)との関連を検討した。 対象者の平均濃度(範囲)は、In-S 4.58 (検出下限未満から51.8)、8-iso-PGF 284.3(134-613)、8-OHdG 4.75(検出下限未満から11.3)であった。In-Sとの相関係数は、8-iso-PGF、8-OHdGで0.046、0.004であり関連は示唆されなかった。
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