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2013 Fiscal Year Research-status Report

職業性心理ストレス要因が視床下部-下垂体-副腎皮質系の活動に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 24790594
Research InstitutionFujita Health University

Principal Investigator

間瀬 純治  藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (30506126)

Keywords職業性ストレス / 心理ストレス / ストレス要因 / 視床下部-下垂体-副腎皮質系 / 毛髪 / コルチゾール
Research Abstract

【毛髪の破砕方法】毛髪の破砕用に小片組織破砕用の金属製マイクロチューブ(2mL)とメタルクラッシャーが新たに市販された。この金属製マイクロチューブとクラッシャーを本学の小片組織破砕装置で使用したところ、良好な破砕を確認できた。以上より、本研究の毛髪の破砕には、金属製マイクロチューブとメタルクラッシャーを使用することとした。
【メタノール浸析による毛髪コルチゾールの抽出条件】昨年行った、コルチゾール抽出のためのメタノール浸析時間や温度、振盪の有無の条件設定では、明らかな違いはみられなかった。そこで、その条件の中で最も効率の良い抽出条件によりコルチゾールを抽出することとしていた。しかし、その条件を使用した他の文献は渉猟したかぎり、ほとんどなかった。そこで今年は、抽出時間を1、2、4、8、12、14、16、18、20、24、28、32の12通り、温度(室温もしくは50℃加温)と振盪(有もしくは無)の4条件の計48の条件を検討した。その結果、温度と振盪の4条件で浸漬時間による抽出量に一定の傾向がなく、有意な差は認められなかった。そのため、文献で示されている16時間、50℃、振盪ありをメタノール浸漬の条件設定とした。
【疫学調査】昨年、3事業所(卸売り業、倉庫業、児童福祉施設)に勤務する労働者を対象として研究の説明をし、同意を得た58名について、毛髪の採取と仕事に関する質問紙調査を行った。本年、上記の破砕、浸漬条件により、コルチゾールを抽出し、保存した。また、質問紙調査の結果を集計した結果、3事業所で職業性心理ストレス要因の多寡に有意な差は認められなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

文献でいくつか示されている毛髪コルチゾールの抽出方法を、研究結果と合わせて決定することができた。毛髪からコルチゾールを抽出する時間を12通り、温度(室温もしくは50℃加温)と振盪の有無による4通りとし、温度・振盪の4条件の中では浸漬時間により一定の傾向はなく、有意な差は見られなかった。一方、温度・振盪の4条件間で比較すると、50℃加温、振盪ありでは、一部の時間で他の条件より有意な差が認められた。そのため、メタノールへの浸漬条件を50℃加温、振盪ありとし、抽出時間は文献で近年一般的となりつつある16時間を採用した。
また、毛髪破砕に最適な容器が入手できたことは、今後の研究に大変意義がある。これまで大型の金属クラッシャーと金属チューブでは、試料のロスが大きく、頭皮側から遠心へより長く毛髪を採取する必要があり、減衰のリスクがある過去3か月以前の毛髪を使用する必要があった。もしくは、対象者から多くの毛髪の採取をする必要があり、毛髪採取の特徴である侵襲の少ない試料である特性を活かしきれていない面があった。毛髪のような微細な試料の破砕に最適な金属マイクロチューブと金属クラッシャーを使用していく。
3事業所に勤務する労働者を対象とした職業性心理ストレス要因に関する自記式調査(Demand-Control-Support Model, Effort-Reward Imbalance Model, 新職業性ストレス調査票)を集計し、有意な差がないことが明らかとなった。2回の自記式質問紙調査を行っているため、その差についても分析する。

Strategy for Future Research Activity

対象者から採取した毛髪を直近の3か月に伸長した部位にあたる頭皮側から3㎝に切りそろえ、質量および本数を測定する。2-プロパノールで3回毛髪を洗浄した後、乾燥する。金属マイクロチューブに対象者の毛髪とメタルクラッシャーを入れ、小片細胞破砕装置を常温で使用し、細かい粉状に粉砕する。粉砕した毛髪の質量を測定した後、50℃振盪ありの条件でメタノールに一晩浸漬し、抽出液を遠心後、上澄みを乾燥して得られた残渣を検体とする。検体は、乾燥した状態で、高速液体クロマトグラフィー(HP-LC)で測定するため、検査委託する。検査の委託先はコルチゾールを含む低分子の高速質量分析装置を有する数少ない検査会社で、過去に依頼して測定実績と信頼関係のあるあすか製薬メディカル(川崎市)とする。送付された各個人のコルチゾール濃度の検査結果を粉状毛髪の質量で除して、毛髪質量あたりのコルチゾール量を算出し、対象者の職業性心理ストレス要因の結果の関連を分析する。3か月間隔で2回測定したストレス要因が個人内で変動のある群とない群で比較が可能な対象数があれば、2群間比較を行う。これらから明らかになったことについて、論文作成、学会発表により新たな知見を公開する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

疫学調査データの処理にもっぱら用いて外部との接続をしないコンピューターの購入が予算残額の減少で購入が困難であったため次年度に購入することとした。個人情報を保護する倫理的な観点から個人情報に関するデータ管理のみに使用する。職業性心理ストレス要因の変化が毛髪コルチゾール含有量に与える影響、もしくは関連について統計ソフトも必要となる。
試料の毛髪から抽出したコルチゾール量を測定可能な企業に委託する。高分子測定用の測定機器を有する研究所や大学研究機関は多いが、低分子量の物質を専門に扱う高速液体クロマトグラフィーを持つ施設はほとんどない。われわれは、これまでに高速液体クロマトグラフィーによる低分子量の測定に実績のある企業に、今回の毛髪の分析を依頼することとした。
対象者には、個人特性があり、年齢や性別、髪のさまざまなケアまでを調整し、統計学的手法を用いて解析するための統計ソフトが必要となる。手計算では難しい統計手法を用いた結果の比較も可能となる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 毛髪中のコルチゾール抽出条件に関する実験的研究

    • Author(s)
      間瀬純治、太田充彦、飯田忠行、八谷寛
    • Organizer
      日本産業衛生学会
    • Place of Presentation
      岡山
  • [Book] ワークデザイン2013

    • Author(s)
      間瀬純治、宇土博、瀬尾明彦
    • Total Pages
      328
    • Publisher
      労働科学研究所

URL: 

Published: 2015-05-28  

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