2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数の遺伝子多型と生活習慣が肥満・生活習慣病発症に与える影響に関する疫学研究
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24790598
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
今任 拓也 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (20368989)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 疫学 / 遺伝子多型 / 生活習慣病 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに得られた福岡県下のA企業男性労働者3648名のDNAサンプルからエネルギー代謝に関連すると考えられているβ2(ADRB2)、β3アドレナリン受容体(ADRB3)および脱共益タンパク質1(UCP1)の遺伝子多型を測定し、肥満(Body mass index(BMI)27.5以上)との関連について疫学研究を実施した。測定した遺伝子多型は、ADRB2(rs1042713)、ADRB3(rs4994)、UCP1(rs1800592)である。それぞれのマイナーアレル頻度は、48%、19%、49%であった。 それぞれの遺伝子多型のgenotype間において年齢、血圧、総コレステロール値、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値、ヘモグロビンA1c値に有意な差は認められなかった。さらに、肥満(BMI27.5以上)とそれぞれの遺伝子多型間に有意な差は認められなかった。そこで、3遺伝子多型の遺伝子-遺伝子間相互作用と肥満(BMI27.5以上)との関連を検討したところ、dominant modelの場合において、全ての遺伝子多型がWild typeである群をリファレンスとすると、1遺伝子多型以上変異型を保有する群では、肥満(BMI27.5以上)のリスクが約3倍高くなることが示唆された(1SNP: OR 3.19(95%CI 1.67-6.89),2SNP: OR 3.28(95%CI 1.74-7.03),3SNP: OR 3.25(95%CI 1.68-7.09)) 。年齢、性別、飲酒習慣、喫煙習慣、運動習慣、地区で補正してもその関連は有意なままであった。 これまでに報告されている日本人の肥満関連遺伝子多型個別には肥満(BMI27.5以上)との有意な関連が認められなかったが、複数の遺伝子が組み合わさることにより、強い関連を示すことが示唆された。
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Research Products
(1 results)