2013 Fiscal Year Annual Research Report
語彙力を測定するアセスメントツールの開発ー出生コホートでの活用を目指してー
Project/Area Number |
24790606
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
龍田 希 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40547709)
|
Keywords | 語彙検査 / 子ども / 疫学調査 |
Research Abstract |
多くの疫学調査で子どもの言語発達を把握するために、Boston Naming Test(BNT)が用いられており、その有用性が報告されている。このBNTは、呈示された絵の名前を回答する語彙検査であるが、日本には標準化された語彙検査は存在しない。BNTの得点は、社会文化的背景の影響を大きく受けることがわかっていることから、日本人を対象とする場合には、日本の社会環境に適した語彙検査が必要である。そこで、本申請では、疫学調査で子どもの言語発達を把握するために、日本人の語彙力を測定する語彙検査の開発を目的とした。 研究期間1年目には、教育基本語彙の基本的研究-増補改訂版-(明治書院、2009)に記載のある語彙のうち300語を抜粋し、白黒の線画で描画した。それを一般成人22名(男性11名、女性11名)に評価してもらい、正答率が著しく低かった項目や回答にばらつきが見られた項目については、項目として妥当ではないと判断し、91項目を削除した。また14項目については絵を修正し、再度調査を実施した。最終的に209項目を用いることとし、描画したデータを電子化した。 研究期間2年目には5歳~12歳までの391名を対象に調査を実施した。そのうち、母国語を日本語としない子どもを除外した386名(男児213名、女児173名)を解析の対象とした。そのうち94名については知能検査も同時に実施した。収集したデータを用いて、条件を満たした60項目を抜粋し、信頼性(内的整合性、折半法)と妥当性(基準関連妥当性)を調べた。この60項目について一般成人2名に最終評価をしてもらい、完成とした。なお、調査の成果及び個人の結果については対象者に報告済みである。 本研究では宮城県内の子どもを対象に調査したが、地域差等を検討し疫学調査等で活用していきたい。
|
Research Products
(1 results)