2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の健康と認知症をめぐる環境・社会要因研究:アジアとの比較より
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24790610
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
伊関 千書 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (80436211)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネパール / 発展途上国 / 認知症 / 国際比較 / 高齢者 / 家族 / 認知機能低下 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、最終年度(平成26年度)は、27年2月までに、ネパール ラムジュン近郊のGuiri地区の60歳以上の高齢者約100名とその家族を対象にインタビュー調査を継続、終了させた。ネパールの雨期5月ー8月頃には住民の農村の自宅にはアクセスが困難となってしまい、インタビュー期間が本年度いっぱいに延びたが、終了させることができた。 現地での調査には、現地NGOスタッフの協力を得て行った。 2、研究成果の還元として、ネパールにおいて現地病院を運営しているNGOの幹部を対象に報告を行った。住民に対しては、インタビュー時に認知症や健康に関する質問があった際に、回答したり簡単なレクチャーを行った。また、カトマンズの神経病院におけるミーティングの際に、研究や認知症についての紹介を行った。パンフレットの作成を計画はしていたものの、住民における識字率の低さや読む習慣のなさのため、またNGO幹部や神経病院においては、口頭発表を求められたため、パンフレットの作成は行わなかった。 3、研究成果の発表としては、国際保健雑誌に第1報報告「ネパールにおける高齢者と認知症」を行った。その結論は以下である。「ネパールの地方の地域医療においては、認知症に対する認識が乏しかった。ネパールの高齢者にに認知機能検査結果は低スコアの傾向があったが、教育歴の低さ、性差、生活習慣などの影響があった。高齢者家族では、家族の加齢や認知機能の低下に関して楽観的で受容的な態度であり、そのことによって認知症を認識するか否かも影響されている可能性が考えられた。」また、平成27年4月の時点で「ネパールと日本の認知症と終末期」のテーマで救急・集中治療学会系雑誌に投稿中のものがあり、27年度末にデータがそろった上記のネパール高齢者とその家族を対象とした調査結果を、現在は解析し論文を作成中である。
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Research Products
(7 results)