2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24790614
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
横道 洋司 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (20596879)
|
Keywords | 栄養疫学 / 栄養調査 / 食事摂取基準 / 習慣的摂取量 / 食事評価 / 栄養素 / 一般線形モデル / 食塩 |
Research Abstract |
この研究は、集団の2回以上の食事摂取量の実際の測定結果から、個人毎にその栄養素の習慣的な摂取量を推定し、且つその集団の栄養学的リスク者割合を推定する新しい方法を発明しようというものである。これらの値をより正確に推定することは、公衆衛生上有用であり、既存の方法は米国・ヨーロッパ各国・日本の県の資料を公開する際に、また栄養行政を立案する際に、採用されている。 本研究の当初の目的は達成され、結果を米国での46th Annual Society for Epidemiologic Research Meetingで発表し、論文として英文科学誌に発表した。(Yokomichi H, Yokoyama T, Takahashi K, et al. An Improved Statistical Method to Estimate Usual Intake Distribution of Nutrients by Age Group. Journal of Nutrition & Food Sciences. 2013;3:196.)本研究を遂行するなかで、この方法はこの方法に親和性の高い栄養素には有用だが、脂肪エネルギー比のような比尺度といった指標には利用し難い、といった弱点に気付き、更にこの統計学的推定方法を発展させ、より汎用性の高い方法の開発を開発すべきという着想に至った。 本研究はマルチレベルモデル(一般線形モデル/一般化線形モデル、混合効果モデルと同義)を延長した方法として、既存の標準プログラムに独自のプログラムを書き加えて達成され、他の疾患の疫学研究にも応用が効く。同様の方法を適用し、新型インフルエンザワクチンの安全性に関する疫学研究、大規模レセプトデータによる緑内障点眼薬のコンプライアンス研究、病院の健康診査データによる適切な介入間隔の研究としてそれぞれ国際誌に発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究で開発した統計学的手法はAGEVAR MODEと名付けて国際誌に投稿し、刊行された。この方法は、栄養調査から、個人の習慣的摂取量やその集団における栄養学的リスク者割合を推定する既存法であるIowa State University法や、AGE MODE法に優る方法であることが、本研究の中心であるシミュレーションスタディにより示された。
|
Strategy for Future Research Activity |
開発したこの方法を世界の栄養行政で標準的に使って貰う方法は2つ考えられる。1つ目には、このプログラムを今回使用したSASプログラム言語ではなく、C言語やBasuc言語で実現し、それを無償でインターネット上で配布することである。本当にこのAGEVAR MODEが住民の健康に有益だと判断されれば、これらの汎用的なプログラムは使って貰えるはずである。 もう1つには、この統計学的方法を開発する際に、すべての栄養素に汎用するために不足するであろうと気付かされた点を改良し、新たに発表することである。前者の案を達成するためには、新たにプログラム言語を学ぶ必要があり、時間が掛かると考え、現在はこの後者の新たな統計学的方法論の開発を行っている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究を計画した当初のアイデアより優れた統計モデルの着想に至り、それを開発し、発表する為の研究費として、平成25年度に必要な研究費が予定より多く見積もられた為、前倒し請求した。 しかし、その開発を進めることで、そのアイデアの問題点が新たに分かり、その弱点を克服する為に更に時間が掛かっている。この新たなアイデアを進めることに必要な費用は平成26年度に順延したいと考えている。 尚、本研究テーマの当初のアイデアによる統計モデルは完成し、シミュレーションも行い、学会発表および論文による発表は既に行った。現在はこのモデルを更に汎用性が高く有用なモデルの開発に没頭している。 平成25年度に余剰した研究費は、国内外の学会発表、論文の英文校正、英語論文の投稿、関連書籍の購入、統計プログラムソフトの購入に充てる予定であった費用である。平成26年度のこれらの費用に充て、研究成果を発信したいと考えている。
|
Research Products
(19 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Neutrophil gelatinase-associated lipocalin levels associated with cardiovascular disease in chronic kidney disease patients2013
Author(s)
Fumihiko Furuya, Hiroki Shimura, Hiroshi Yokomichi, Kazuya Takahashi, Daiichiro Akiyama, Chikako Asakawa, Ayako Okamura, Ai Motosugi, Kazutaka Haraguchi, Zentaro Yamagata, and Tetsuro Kobayashi
-
Journal Title
Clinical and experimental nephrology
Volume: Epub 2013/12/18
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-