2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24790620
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
依田 健志 香川大学, 医学部, 助教 (40457528)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 / タイ / アメリカ / ブラジル / ケニア / 中国 |
Research Abstract |
海外に長期在留する日本人のメンタルヘルスについて自記式アンケートにより明らかにすることを目的とし、本年度は大きく以下の2点について実施した。 1.アンケート用紙の作成 アンケート用紙の作成に当たっては、以前別の研究で用いた香川県の成人に対するメンタルヘルスアンケート調査票を基本として、抑うつ尺度、ストレス度などを測定できるものに改良した。また、QOLを測るためEQ5D日本語版も組み合わせ、多角的な尺度で評価できるようにした。アンケート用紙作成に関し、ブラジルPelotas大学のElaine Thume准教授、アメリカHarvard School of Public HealthのMichael Reich教授、タイMahidol大学のCharnchudhi Chanyasanha教授らにアドバイスをもらい、海外での特殊事情や異なる生活様式、文化や食習慣がどのようにメンタルヘルスに影響しているかを評価できるような内容で作成を行った。 2.調査都市(地域)での調査協力者の開拓 本調査は現地で協力してくれる調査協力者が不可欠であり、実施可能性とアンケート内容の相談の折にタイ、アメリカを訪問し、それぞれタイでは在タイ日本人会、現地邦人企業等を訪問し、研究説明を行った。アメリカではニューヨークでロックフェラー研究所に所属する研究者からニューヨークでの日本人クリニック等を紹介してもらい、それぞれ研究説明後調査協力のお願いをし、承諾してもらえた。また、長崎大学熱帯医学研究所ケニア拠点の研究者らにも調査協力をお願いし、邦人の少ない地域での調査も行えるよう下地を整えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外在留邦人のメンタルヘルス調査を行う上で、必要不可欠であるアンケート用紙の作成と、現地協力者の確保ができたため、本研究を最終的に達成させるための準備として平成24年度の達成度はおおむね順調であると言える。当初の予定では中国(上海)にも訪問し、現地の協力者へ調査説明および研究協力の要請をしたうえで、パイロット調査としてタイで試験調査開始まで盛り込んでいたが、計画実施段階で中国内での対日感情が悪化し訪問予定地域でデモが起こるなど、治安面に不安が残ったため渡航を見送る方が良いと判断し、現時点でもまだ渡航できていない。それに従いパイロットスタディーもまだ実施できていないが、それらは平成25年度に実施する予定である。計画的にはとくに大幅に変更する必要もなく、おおむね順調であると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度はアンケート調査実施の年度である。25年度中にニューヨークを中心としたアメリカ、バンコクを中心としたタイでは確実にアンケート調査を実施する方策を練っており、今後現地研究協力者とどのようにアンケート調査をすすめていくか随時打合せていく予定である。また、海外在住邦人の少ない地域はケニアの現地協力者やJICA職員らに協力してもらい、アンケート調査を行う予定である。また、結果は集計し解析ができ次第国際学会または国内学会に部分的に発表を行う予定である。 具体的には、現時点では11月の日本国際保健医療学会学術集会で部分的なデータについての公表を行う予定である。国際学会については、タイで行われるJoint International Tropical Medicine Meeting 2013で部分的データを発表する予定である。 上海を中心とした中国でのアンケート調査に関しては、政治や治安の動向を見ながら、可能であればできるだけ早期に訪問し、現地協力者にアンケート調査の主旨や目的等を説明したい。また、訪問がままならない場合は、アンケート調査方法自体を紙媒体による対面配布方式から、インターネットを使ったものに変えるなど、工夫してうまく調査できるよう環境を整えていきたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画としては、調査地(ニューヨーク、タイなど)への旅費、宿泊費等、また現地協力者への謝礼、アンケート用紙の印刷などに主に使用予定である。 また、調査結果の公表として、国内学会や国際学会へ参加する際の参加費や交通費として使用する予定である。 その他、適宜参考資料代や通信費、文具事務用品代や国内移動費等で使用予定である。
|