2014 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット依存障害の病態および治療に関する研究
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24790623
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
片上 素久 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50572971)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インターネット依存障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではインターネット依存障害(IAD)の病態解明のため、匿名のオンラインアンケートを用いて、インターネット使用に問題がある者における、抑うつ症状との関連を調べ、そしてその行動パターンと、精神症状との関連について探索を行った。IADの重症度の評価は、Internet Addiction Test日本語版(IAT)を用いた。精神症状との関連については、Self-rating Depression Scale(SDS)を施行し抑うつ症状を評価した。インターネット上にてIADについてのスクリーニングテストを4000サンプルに対して行った結果、310名(うち男性155名)が調査の対象となり、その年齢は40.1±12.4歳であった。IAT得点は50.06±15.21、SDS得点は40.04±6.40であった。IAT得点とSDS得点は相関を認め、その相関係数は0.212(p<0.001)であった。また、インターネット使用時間をそのコンテンツで分類し、IAT得点と重回帰解析を行った結果、IAT得点とインターネットの閲覧(β=0.241, P<0.001)およびオンラインチャット(β=0.123, P=0.033)の使用時間の間に相関を認めた。 本研究においてSDS得点とIATとの相関を認め、重症度と抑うつ気分との関連が確認された。インターネット依存障害の患者はオンラインゲームに多大な時間を費やすことが問題視されている。本研究ではその重症度とウェブサイトの閲覧とオンラインチャットとの間に相関を認めていたが、オンラインゲームとの間には相関は認めなかった。 オンラインアンケートに答えた者のうち、IADと診断され治療を希望する者に対して、薬物療法および認知行動療法を施行したが、治療に対する動機付けが困難であることから認知行動療法については脱落例が多く、効果および転帰予測因子の検討は困難であった。
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