児童虐待の被害を測定する国際的調査票の日本語版の作成

2013 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 24790625
• Research Institution: Jichi Medical University
• Principal Investigator: 坪井 聡 自治医科大学, 医学部, 講師 (20453011)
• Keywords: 児童虐待 / 調査票 / 翻訳 / ACE study / 日本語版作成

Research Abstract

平成24年度は、米国のCenters for Disease Control and Preventionによる Adverse Childhood Experiences (ACE) Study で用いられた調査票を日本語版に翻訳した。具体的には、まず、一次翻訳として調査票の和訳を作成し、その後、和訳した調査票を逆翻訳として再度英訳した。さらに、逆翻訳された調査票ともとの調査票を様々な視点から比較検討し、調査票の和訳を完成させた。なお、逆翻訳ともとの調査票との比較検討を行う際には、ACE Study に関係した米国の研究者らからもコメントを得て、調査票の和訳の妥当性を検討する参考情報とした。
平成25年度は、作成した調査票の信頼性と妥当性を検討した。具体的には、調査協力者らに対して、作成した調査票に実際に回答してもらい、その後、一定の期間をおいてから再度回答してもらうことで、同一人物の間における回答の一貫性を検討した。また、ACEと関連を持つことが一般的に知られている項目との間で、本研究においても同様に関連がみられるかどうかを確認した。
本研究によって、児童虐待の被害を測定するために世界的に用いられている調査票の日本語版が作成され、その信頼性と妥当性を検討することができた。本調査票は、今後、幅広い分野で様々な研究に活用されることが期待される。