2014 Fiscal Year Annual Research Report
母乳育児の形態・期間が前思春期の抑うつに与える影響
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24790631
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
安藤 俊太郎 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (20616784)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 母乳栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、東京都在住の9、10歳の地域代表前思春期児童をリクルートし、児および主たる養育者から母子手帳記録を含む自記式質問紙を用いてデータ収集を行い、以下の2つの研究課題を解明することであった。 1) 生後4か月間と6か月間のexclusive breastfeeding (母乳のみで育てること)では、どちらが前思春期における精神的健康によい影響を与えるのか。 2) 母乳栄養の期間と前思春期における精神的健康には、用量反応関係があるのか。 研究期間を延長し、予定通り約4500世帯以上の地域代表前思春期児童から協力を得て、データ収集を行うことができた。Exclusive breastfeedingの期間(1か月未満から6~7か月以上の5段階の順序尺度)、母乳栄養の期間(全くなしから1歳6か月以上の7段階の順序尺度)は、母子手帳記録から評価した。前思春期における精神的健康は、児童が回答したWHO-5精神的健康状態表(ウエルビーイング)およびShort Mood Feeling Questionnaire(抑うつ)、精神病様症状を用いて評価した。 相関分析の結果、exclusive breastfeedingを生後4か月間行った群と6か月間行った群の間で、ウエルビーイングや抑うつ、精神病様症状に差はみられなかった(それぞれp=0.80、p=0.34、p=1.00)。 一方、母乳栄養の期間と前思春期における精神的健康との間には有意な関係がみられた(それぞれp=0.05、p<0.01)。さらに、性別、月齢、世帯年収、妊娠中の母の喫煙、調査時点での母の抑うつを調整して重回帰分析を行った結果、母乳栄養期間の長さとウエルビーイングの間には有意な相関がみられた(β=0.04、 p=0.03)。同様の重回帰分析の結果、母乳栄養期間の長さと抑うつの間には有意な負の相関がみられた(β=-0.05、p<0.01)。 本研究の結果から、母乳栄養期間が長いほど前思春期における精神的健康度が高いことが示唆される。今後は、両者の関係の機序解明につながる研究が望まれる。
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Research Products
(4 results)