2013 Fiscal Year Annual Research Report
軽度認知障害スクリーニング検査の地域在住高齢者への適用に関する総合的研究
Project/Area Number |
24790633
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
鈴木 宏幸 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90531418)
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Keywords | 認知機能検査 / MoCA-J / 地域高齢者 / 縦断調査 |
Research Abstract |
本研究では,比較的大規模のサンプルを対象とした初回調査と1年後の追跡調査の計2回の調査結果から,MCIスクリーニング検査である日本語版Montreal Cognitive Assessment(MoCA-J)を地域在住高齢者へ適用する際の特性及び有用性について総合的に検討することを目的としている。平成25年度は追跡調査を実施・分析し、縦断研究におけるMoCA-Jの有効性を従来の検査(MMSE)と比較した。 東京都板橋区の住民基本台帳から東京都健康長寿医療センター周辺9町内在住の65歳~84歳の男女全7,162名を抽出した。施設入居者と過去の当センター研究協力者を除外し、6,699名に対して当センターが主催する高齢者健診への案内状を送付した。参加希望者913名を対象に認知機能検査(MoCA-J、MMSE)、医学(既往歴、血圧等)、身体機能(歩行速度、握力等)、高次生活機能(老研式活動能力指標)、基本的日常生活動作能力(BADL)、生活習慣等を調査した。なお、東京都健康長寿医療センター倫理委員会の承認を得て実施し、データの使用について、対象者全員に同意を得た。これを初回調査とし、1年後に913名に対して追跡調査への参加を依頼したところ、486名が参加した。 初回と追跡の両調査を受診した486名を対象にMoCA-JとMMSEの得点変化を検討したところ、MMSEでは平均27.78点から28.01点と有意な得点の上昇がみられ(p=.006)、学習効果がみられた。一方、MoCA-Jでは23.65点から23.85点となっており、有意な上昇はみられなかった(p=.123)。地域における認知機能の縦断調査においては反復効果の観点からMoCA-Jが適した検査であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)