2012 Fiscal Year Research-status Report
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24790643
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
村上 千香子 北里大学, 医学部, 助教 (30433717)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 心臓イオンチャネル遺伝子 / KCNQ1 / HERG / KCNE1 / 心筋症 |
Research Abstract |
遺伝子異常により生じる循環器疾患のなかで遺伝性致死性不整脈は若年者に突然死を惹起する予後不良の疾患であり、現在までに12種類の原因遺伝子が同定されるも依然不明な点が多い。本研究では疾患原因遺伝子を解明することで患者の予後推定や家族へフィードバックするシステムを構築し遺伝子確定診断へと展開するための研究基盤を確立することを最終目的としている。 本年度は心臓イオンチャネル遺伝子の疾患原因遺伝子の解析を行うために、すでに収集されている心筋症(CM)症例36例、心重量500g以上の心肥大を伴う突然死症例35例およびその他の突然死症例200例の血液からDNAを抽出し、KCNQ1遺伝子の解析を行った。プライマーはKCNQ1遺伝子のエクソン領域をカバーするように設計しPCR増幅後、ダイレクトシークエンスにより塩基配列の決定を行った。 解析の結果、現在までに1種類のサイレント変異、5ヶ所の一塩基置換が検出された。一塩基置換のうち2ヶ所が一塩基多型であり、遺伝子頻度を算出したところcontrol群とCM群および心肥大群との間に有意な差は認められなかった。また、今回心肥大例で検出された一塩基置換のうちNG_008935.1:g.131210のG>AはNCBIに報告例がなかった。引き続き解析を行い、さらに検討を行う必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度にHERG、KCNQ1、KCNE1およびKCNE2遺伝子の解析を行う予定であったが、検体数の増加およびKCNQ1のプライマー設計において、結果が良好に得られない部位が多く、再設計を行っているため進行の遅れがある。平成25年に全領域解析が行えるよう調整する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
心臓イオンチャネル遺伝子は遺伝子変異箇所が多いため疾患原因遺伝子かどうか検討するのに注意が必要である。25年度は目的である遺伝子の全解析を行うとともに、変異が検出された場合はデータベースから他機関の情報を収集し検討を行う。さらに、本研究の特色である死後の検体から得られる情報をもとに、解析結果と比較検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シークエンスを行うための試薬の購入などに使用する予定。
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Research Products
(3 results)