2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温気化固相マイクロ抽出法の開発:血中薬物GC-MS分析の迅速化を目指して
Project/Area Number |
24790647
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
ウォーターズ ブライアン 福岡大学, 医学部, 助教 (00609480)
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Keywords | Drugs of abuse / Amphetamines / Barbiturates / Benzodiazepines / Headspace / SPME / Fast GC-MS/MS |
Research Abstract |
研究目的は、全血から乱用薬物を迅速かつ簡便な分析方法の開発である。多くの系統の薬物分析、アンフェタミン系、バルビタール系、ベンゾジアゼピン系などの分析を検討した。これら多くの種類の薬物の迅速で効率的な分析を可能とするため、様々な条件のもと分析の最適化を試みた。 <初年度>アンフェタミンとメタンフェタミンの分析条件の検討:全血前処理方法、気化温度および吸着時間を変え、内標準、アンフェタミン、メタンフェタミンの回収を最大にするよう検討した。 1) 全血の前処理法:有機溶媒や固相抽出法ではなく、固相マイクロ抽出法(SPME)方法を採用した。血液量、硝子綿の添加、水酸化ナトリウムの添加等をかえて実験した結果、血液量0.10gに水酸化ナトリウム(5N)0.1mlを添加することで良好に抽出できた。2) 気化温度:標的化合物の分子量が大きかったため、確実に気化するためには高温を必要とした。バイアル瓶内の気化温度(ヘッドスペース温度)は、200-240℃の範囲で実験した。その結果、約220℃が最適な気化温度であった。3) 吸着時間:気相をSPMEファイバーに暴露する吸着時間を、5~15分の間で実験した結果、7分がファイバーのための最適な吸着時間であった。 <第2年度>バルビツール、ベンゾジアゼピンの分析方法の確立:様々な条件下で実験を実施したが、これらの薬物は、かなり分子量が大きいことから、SPMEファイバーへ吸着が困難で、分析条件の確立には至らなかった。 研究期間内で、複数の乱用薬物の迅速かつ安定した分析方法を検討した、その結果、高温で気化させSPMEを採用することで、全血からのアンフェタミンを分析する方法は開発できた。この結果を踏まえ、幅広く多数の薬物を分析可能とする方法を検討続ける予定である。
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