2013 Fiscal Year Research-status Report
MR組織学技術を用いたヒト剖検脳の組織構築画像による病理診断法の開発
Project/Area Number |
24790648
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
金涌 佳雅 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 助教 (80465343)
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Keywords | 法医学 / 磁気共鳴画像 / MRI / MR組織学 |
Research Abstract |
本研究では,ホルマリンで固定した臓器を,磁気共鳴画像(MRI)用造影剤等に浸漬した後に,MRI装置で撮像する「MR組織学」の技術を,法医実務の診断上の有効性と応用性を検証すると共に,法医解剖での神経組織所見の把握の緻密化と,診断精度の向上を図ることを目的とする。平成25年度の研究では,法医解剖で摘出したヒト全脳を,ホルマリン・プロハンス混合固定液に浸漬固定して,3テスラの臨床用MR装置で撮像した。撮像シーケンスとして 1 T1W VISTA (TE/TR=12.7/500ms,Average=1,Matrix=256*256,pixel size=1.0*1.0mm) 2 T2W VISTA (TE/TR=124.8/4000ms,Average=1,Matrix=256*256,pixel size=1.0*1.0mm) 3 MP-RAGE (TE/TR=3.46/7.8ms,Average=1,Matrix=480*480,pixel size=0.5*0.5mm) の条件で撮像した。 本実験の結果,T1W VISTAならびMP-RAGEのシーケンスにて撮像することで,高コントラストの画像が得られると共に,0.5㎜の3次元等方性高分解能画像を25分程度の撮像時間で達成可能となった。本実験での撮像プロトコールは,検体処理が極めて容易であり,撮像時間も比較的短時間にとどまりつつ,0.5㎜というルーペレベルでの高分解能画像の取得が可能であった。本実験の手法により,形態計測学的手法を用いた神経疾患の診断,適切な切り出しの支援のための事前検討,脱髄疾患の病勢把握が可能となり,法医実務への応用性は極めて高いと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定の計画の撮像実験が実施できたのに加えて,その学術的成果を論文して報告することができたことから,研究の目的は順調に達成しつつあると,総合的に評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の追加実験として,高磁場の研究・動物用MR画像装置を用いた,切り出し済み脳組織について撮像実験を実施し,空間分解能をより一層向上させつつ,法医実務に即した撮像プロトコールの開発を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,撮像実験を実施しつつ,解析作業も併せて行う予定であったが,撮像実験を優先的に実施し,解析作業を平成26年度に繰り下げて実施することとした。そのため,解析作業に必要なソフトやパソコン機器の調達を延期したことにより,次年度使用額が生じた。 平成26年度に繰り下げた画像解析について,これに必要な解析専門ソフトやパソコン関連機器を調達する予定である。
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Research Products
(3 results)