2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の無症候性脳所見が日常生活機能障害に及ぼす影響の縦断的評価
Project/Area Number |
24790654
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
冨田 尚希 東北大学, 大学病院, 助教 (00552796)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大脳白質病変 / 手段的ADL / 老年症候群 |
Research Abstract |
平成24年度は主に解析対象データのデータ形式の確認・集計作業が主であった。これらのデータから導き出せる結論について検討していた。 また、関連する学会・研究会に出席し、関連する研究分野の動向の確認と結果のまとめ方について検討した。 頭部MRI上の白質病変と老年症候群の関連についての研究について平成24年度の認知症学会でも発表しているグループが複数あったが、すべてhospital-basedの研究で、物忘れ外来を受診した患者を対象としていた。 転倒・つまずき・めまい・尿失禁・嚥下機能低下などの老年症候群はともかくとして、より高度の機能低下であるIADLの低下は白質病変の影響だけでなく皮質の病理変化の影響も受けると私は思うがこれを交絡因子として調整している研究は見当たらなかった。 hospital-basedの研究の場合はcommunity-based population に比べ、皮質の萎縮が病理変化を反映している可能性が高いと思うが、調整は行われていなかった。またIADLをTMIGで見ている論文は白質病変の関連ではなかった。 以上の動向から、大脳皮質の萎縮度を調整因子として、白質病変が直接単独で日常生活機能に及ぼす影響を検討することを考えたが、現在利用可能なコホートの画像データでは定量的な解析(VBM解析)ができるような撮像法がとられておらず、白質病変の程度と単純に関連を検討することしかできないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
医局員減少による病院業務・学生指導時間の増大、研究室単位で行っている研究の増加と業務量増大が主な原因で、自分の研究に使える時間が当初の予想よりも極端に少なくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
大脳皮質の萎縮度で調整するのが理想であったが、今後の課題とすることとした。この調整がなくてもIADLをTMIGで見ている先行論文は白質病変の関連ではないこと、コミュニティーの集団での検討が不十分なことから十分新たな研究として意味があるものと思われる 以上の点が結果をまとめるに当たってポイントになると思われ、今後これらを中心に結果をまとめていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の使用額については、当初計画していた白質病変と生活機能との関連を直接検討する研究の進行の遅延に伴うものであり、同研究の論文の作成、出版、学会への発表、関連する学会・研究会への出席、解析に必要な追加ソフトウェアがあった場合はその購入などを予定している。
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