2014 Fiscal Year Research-status Report
摂食障害患者の治療中断の要因分析とその低減のための実践的提案
Project/Area Number |
24790655
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 淳子(森屋淳子) 東京大学, 医学部附属病院, 客員研究員 (00550435)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 摂食障害 / 治療中断(ドロップアウト) / アンケート調査 / インタビュー調査 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は摂食障害治療におけるドロップアウトの低減を図るための治療システムを提案することを目的としている.本年度は,平成24年度に施行したカルテ調査,アンケート調査,インタビュー調査の解析結果をもとに,主に論文執筆を行った. 【方法】2009年1月~2012年7月に東京大学医学部附属病院心療内科のED初診外来を受診した342名のうち、治療をドロップアウトした患者53名(15.5%)に対してアンケート調査(選択回答式+自由記述式)を郵送で行った。自由記述欄のコメントの解析は戈木のGrounded Theory Approach (GTA)の手法を踏襲して解析した。 【結果】回収率は45.3%で、回答者は24名(女性23名、男性1名)であった。年齢は16歳~50歳(中央値25歳)、病型分類はAN 14名、BN 5名、ED-NOS 5名であった。治療中断の要因に関する回答(選択回答式)では「主治医との相性(12名)」が最も多く、他には「通院しても変わらなかった(6名)」「期待していた治療法ではなかった(6名)」「忙しくなった(5名)」「症状が良くなった(5名)」が主な項目として挙げられた。自由記述欄のコメントでは、「治療者の人柄や言動」「治療内容」「通院にかかる負担」「診察枠」に関する記述が多く見られた。 【結論】ED治療のドロップアウトには、患者側の要因以外にも医療側の要因や治療環境の要因が大きく関与していると考えられた。当事者への調査は、ドロップアウトを低減させるためにも有用だと思われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
育児・研修により,研究にさけるエフォートが減ったため.
|
Strategy for Future Research Activity |
アンケートの再調査を行い,平成24年度との比較を行う. また,学会において研究成果を発表するとともに,昨年度に引き続き,論文執筆を進めていく.
|
Causes of Carryover |
育児・研修のために研究に割ける時間が十分に確保できなかったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費:申請者が学会に参加し,研究成果の発表を行う. 人件費・謝金:アンケートの再調査に際し,研究協力者への謝金(1千円/人)を支払う.インタビュー調査に際し,研究協力者に交通費も含めた謝金(5千円/人)を支払う.データ・資料整理に際し,研究補助者に賃金(8千円/日・人)を支払う. その他:文献費,学会参加費,学会誌投稿料に使用する.
|