2013 Fiscal Year Research-status Report
虚弱性と遺伝子変異、薬物相互作用を踏まえた高齢者薬物療法の効果、副作用評価
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24790658
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊奈 孝一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60566983)
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Keywords | 高齢者の薬物療法 |
Research Abstract |
高齢者には脳血管障害、虚血性心疾患予防目的で抗血小板剤(アスピリン、クロピドグレル)が広く処方されるが、加齢に伴い心房細動が増加し(80歳で約10%)、循環器学会ガイドラインにも推奨される抗凝固剤(ワーファリン)、また新規抗凝固剤(ダビガトラン等)の使用頻度が増加してきている。一方変形性脊椎症は罹患率が約20%に及び、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)の使用も多い。高齢者は上記による消化管出血のリスクに加え、食道列孔ヘルニアの頻度も高く、これによる逆流性食道炎の予防目的でプロトンポンプ阻害剤(PPI)もよく用いられる。更に、骨粗鬆症は80歳女性の罹患率は骨粗鬆症学会診断基準では約50%に及び、ビタミンD、ビスフォスフォネートの使用頻度も多い。こういった薬剤の相互作用、副作用及び薬効の再検討を行い、性差医療の有用性、高齢者薬物療法の均てん化の可能性の有無を明らかにしていく。3年計画の中間年度であり、老年内科外来通院者で基本的ADLが自立している高齢者及び施設入所中高齢者(後期高齢者として虚弱高齢者、施設入所中ADL自立高齢者)約200人のデータ解析を行っているところで、秋頃には終了予定である。調査項目として25年度は1:罹患疾患、2:登録時投与薬剤、投薬量、期間、3:登録時血圧、空腹時血液脂質値、血糖値、HbA1C、肝腎機能、血圧等の基礎指標値,各種ホルモン血中濃度、4:登録時点での投薬の副作用、合併症の有無、5:ADL、6:各種薬剤の薬効評価の検討を行っている。即ちワーファリンであれば至適PT-INR時の投与量及びワーファリン量/INR値を薬効指標としての評価である。データ収集の継続及び解析により高齢者臨床に大きく貢献すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
老年内科外来通院者で基本的ADLが自立している高齢者及び施設入所中高齢者約200人のデータ解析を開始し、秋頃には終了予定であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、老年内科外来通院者で基本的ADLが自立高齢者及び特別養護老人ホーム入居中の要介護度3度以上の虚弱高齢者約150名の解析を目標とする。後期高齢者に使用頻度の高い抗血小板剤、抗凝固剤(ワーファリン、ダビガトラン)、ジギタリス製剤、NSAID、PPI、ビタミンD、ビスフォスフォネートを解析対象とする。薬剤の相互作用及び薬効の再検討を行い、性差医療の有用性、高齢者薬物療法の均てん化の可能性の有無を明らかにする。
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Research Products
(3 results)