2012 Fiscal Year Research-status Report
日本都市部心房細動患者における脳梗塞発症および抗凝固療法の現状
Project/Area Number |
24790668
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The Cardiovascular Institute |
Principal Investigator |
鈴木 信也 (財)心臓血管研究所, その他部局等, 研究員 (60626307)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | コホート研究 / データベース / 抗凝固療法 |
Research Abstract |
平成24年度研究実施計画に記載した通り、(1)(財)心臓血管研究所付属病院を受診する全初診患者を対象に同意を取得後、データベース作成を行う、(2)初診医による診断、(3)電子カルテを通した自動収集による患者データ・治療内容収集、(4)電子カルテおよび封書による予後調査、という4つの手順によるデータ構築を継続し、2012年度分のデータ蓄積を完了した。また、(5)2004~2011年度の継時的なワーファリン投与状況、PT-INRデータを後ろ向きにデータ収集し、(6)2012年度の同情報および新規抗凝固薬(ダビガトラン)の投与状況、APTT採血データを前向きに収集した。 同時に、前年度までのデータを用いて抗凝固療法関連のテーマで解析を行い、平成25年3月に横浜で開催された日本循環器学会総会において5演題の発表を行った。とくにこの中で、2004年~2011年度の抗凝固療法(ワルファリン、ダビガトラン)の変遷に関する解析を行い、発表している。また、これらの演題の中から英語原著論文を執筆し、現在投稿・査読中である。 次年度は、上記のデータ構築を2013年度のデータを対象として継続するともに、2012年度までに構築したデータをもとに、平成24年度研究実施計画に記載された抗凝固関連のテーマ(ワーファリン投与状況、新規経口抗凝固薬投与状況に関する臨床課題の提示)でのデータ解析と学会発表、論文執筆を行うとともに、過去7年間の抗凝固療法および脳梗塞発生状況の変遷の総括を目的とした解析と学会発表、論文執筆についても引き続き進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に予定されたデータ構築は、年間を通じて順調に進められた。データベース構築に関わるスタッフが毎月定例のミーティングを行い、システムに関する不備の指摘や入力作業の円滑化に関する提案があればそれを取り入れながらデータ構築の環境整備に努めてきた結果であると考える。 また、データ解析および学会発表に対しても研究所として組織的に取り組み、学会発表や論文執筆についても協力・指導体制を維持することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、上記のデータ構築を継続しつつ、6月頃から年度末の日本循環器学会発表を目標とした解析作業を進めて行く予定である。 研究遂行の核となるのは、精度の高いデータベースの構築であり、電子カルテの情報をデータベースへ取り込む際のエラーの有無の確認や、入力項目を医師がチェックする行程は、携わるスタッフがもっとも労力を要する内容であり、引き続き努力を継続させていく。 また、システムエラーが確認された場合には、専属のシステムエンジニアが派遣されて点検を行っており、補修・システム改良の努力も絶えず行われている状況である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は、主に予後調査の郵送費と、上記システムのメンテナンス、システム改良のための開発費として用いられている。 昨年度の残金50万円と今年度の予算60万円は、概ねそれらの予算として計上している。
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