2012 Fiscal Year Research-status Report
クローン病難治化と粘膜内リンパ球におけるエピジェネティクス制御異常
Project/Area Number |
24790677
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
志賀 永嗣 東北大学, 大学病院, 医員 (20583355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / クローン病 / アポトーシス / bax / バイサルフェート |
Research Abstract |
クローン病は原因不明の慢性腸炎であり、日本でもその発症が激増しており、その病因解明が待たれている。クローン病を含む炎症性腸疾患は、疫学調査よりその発症に遺伝的要因が強く関与する多因子疾患とされ、その遺伝因子を特定するため、genome wide association study(GWAS)が精力的に行われ、多数の論文が報告されている。その結果、現在ゲノムの約100ケ所以上に有意に相関する領域が同定されている。しかし、多因子疾患の中で最も遺伝子解析が成功したクローン病においても、遺伝因子で直接説明できる病態は多くて30%程度であり、残り70%は不明のままとなっている。 疾患病因・病態に影響を与える因子としてgenetic factor以外に、eigenetics factorが注目を集めている。機器の進歩によりDNA methylationの定量が可能となったことで、自己免疫疾患におけるepigenetics制御の影響が報告されるようになってきた。また前述したクローン病感受性遺伝子の中に、DNA メチル基転移酵素(DNMT3A)(Nature genetics 2010. 42:1118-25)が入っており、クローン病の発症にDNAメチル化異常が関連していることが推測されている。そこで、炎症性腸疾患においてもepigenetic(主にDNA methylation)な変化が、遺伝子発現に影響を与えることで、病因・病態に関与しないかどうか検討することを目的に研究を行っている。今年度においては、バイサルフェートシークエンスにより、BAX,BAT遺伝子のメチル化率について検討を行っている。またメチル化DNA免疫沈降法基礎的な条件設定について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度においては、バイサルフェートシークエンスにより、BAX,BAT遺伝子のメチル化率について検討を行っている。またメチル化DNA免疫沈降法基礎的な条件設定について検討した。計画通りに進行していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年に引き続き、①Lamina propria T cellを分離・培養(内視鏡生検からの分離):Fiocciらの方法に準じて分離・培養、②アポトーシスの誘導、③メチル化DNA免疫沈降法(MeDIP法):DNA切断と免疫沈降、IVT(in vitro transcription)法によるDNA fragment増幅、マイクロアレイ解析を続けて行う。またさらに、異常メチル化遺伝子の発現定量、Tissue-depwendent and differentially mediated regionメチル化レポーターアッセイを行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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